ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

昭和30年代初めの頃 その15

藁を
藁を仕舞っている納屋から
持ってきます。

藁を仕舞っている納屋は
粗末な作りで
地元の人は
バラックと言っていました。

なぜ
英語なのか
私には
わかりませんが
バラックbarrackだったんです。

兵舎とか粗末な大きな家の意味があるそうで
進駐軍から
きているのかもしれません。

そこから
持てるだけの
藁を
持ってきます。

風呂の焚き口の前に座り
藁を
丸めます。

マッチで
火を点け
かまどに放り込みます。

藁は
パーッと燃え上がり
次の瞬間
火が小さくなります。

そこで
藁を丸めて
放り込みます。

次から次へと
放り込みます。

薪なら
ずーと付いていなくても良いのですが
藁は
大変です。

姉も手伝って
お風呂が
わき上がります。

父が帰ってきて
一番に入ります。

入ると
湯が冷めるので
必ず
湯加減を聞かねばなりません。

藁を
丸めて
放り込みます。

ふたつかみっつ放り込むと
充分になります。

父が上がってくると
兄と
私の番です。

一緒に張ります。

母が
「お風呂で暴れたらダメですよ」と
言われてしまいました。

だいぶ前になりますが
風呂で
兄と
すこし
ほたえていたら
(当地の言葉で
暴れていたら)
お風呂の底が
抜けてしまったのです。

前にも言いましたが
五右衛門風呂は
そこだけが
鉄で出来ていて
輪掛けで
強く締め付けて
止めているだけです。

なにぶん
炎で
あぶりますので
水があっても

あまくなるみたいです。

そこで
底が
抜けてしまいます。

兄が
修理してくれて
事なきを得ましたが
大変なので
そーと
お風呂に入ります。

五右衛門風呂に入る時は
底が鉄で
追い焚きをすると
熱いので
木で出来た
「げすいた」と
呼ばれる板を
底に沈めながら
入ります。

私には
出来ませんので
兄が先に入ります。

私が続いて
入ります。

同じように
母が聞いてくれて
追い焚きすることになりました。

底が
凄く熱くなって
熱い湯が
上がってきます。

私は
追い焚きは
いやですが
寒いので
仕方がありません。