ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「笑顔のアイコンタクトに魅せられて」その61

陽一君が
日本に帰って来ました。

薫子は
陽一君のお父さんと
車で
空港まで迎えに行きました。

懐かしくて
陽一君が帰ってきて
良かったと思いました。

陽一君は
帰ってくると
すぐに就職活動を始めました。

何が何でも
就職するのだと
陽一君は
頑張っていました。

第一志望は
薫子の勤めている
証券会社でした。

薫子の
その証券会社を
陽一君は調べていました。

陽一君が
先輩の話などで
いろいろ調べると
どうも
その証券会社は
粉飾決算をしているらしいのです。

一任勘定といって
損失補填をしているらしいのです。

そんなことがながく続くわけもないので
陽一君は
そちらへの就職を止め
最大手の
証券会社に
第一志望を
変更して
活動することにしました。

薫子には
そのことは
言いませんでした。

あくまで
推測なので
言わなかったのです。

登は
ただただ
結婚するまで
その証券会社が
潰れないことだけを
願いました。


薫子は
そんなことは
わかりません。

お客様は多かったし
取引額も
薫子の支店では
伸びていたからです。

薫子には
全社的な
状況がわかりませんでした。

噂も
流れてきませんでした。

薫子は
相変わらず
笑顔のアイコンタクトで
頑張っていました。

支店では
前にも増して
人気者で
この支店では
倒産するなど
全くその気配はありませんでした。




登は
3年生の終わりになると
進路が
悩み事になります。


将来何になりたいか
全く
考えていなかったのです。