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夢に中では いつも 薫子は 話が出来ません。 声が出ないのです。 しかし今日の夢に中では 声が出て 陽一君と しゃべることが出来ました。 薫子: 陽一君が なくなった様子が わかって 良かったです。 私も 陽一君を 愛し続けます。 陽一: 僕を そんなに 思ってくれて ありがとうございます。 でも 私を 愛してくれるのは ありがたいんだけど 私は もういないんです。 薫子さんが 私を愛してくれても 私は あなたに応えることは出来ません。 薫子: 私には 陽一君の 思い出があります。 それで 充分です。 陽一: 僕は 私が愛した薫子さんが もっと もっと 幸せになって欲しいのです。 私の思い出だけでなく 応えられるものでなくては 、、、 あなたの中の 僕の記憶を 消してしまいます。 僕を忘れて 新しい人生を 送って下さい。 薫子: 私の記憶を 消してしまうって それは止めて下さい。 陽一君の 記憶がなくなったら 私の 今までの 人生は 何になるのでしょう それだけやめて欲しいです。 陽一: ありがとうございます。 それは止めておきます。 でも 私の思い出だけではなく 新しい人生を 送って下さい。 薫子: そんな事言ったって 陽一君以上に 私が愛せるひとは出てこないし 陽一君以上に 私を 愛してくれる人はいないと 思います。 陽一: 僕が 高いところから 見ている限りでは ひとりいるみたいです。 きっと 僕と同じ性格で 絶対 僕以上に 薫子さんを 愛していると 思いますよ。 薫子: 陽一君は そんな人を知っているんですか 陽一: 知っています。 私は 人間じゃないんですよ。 仏様の一員になっているんですよ。 まだまだ修行の身ですが (段々と 夢の中の 陽一君は 背景の白と 溶け合って 見えにくくなっていきます。) 薫子: 陽一君 陽一君 薫子は 陽一君の名前を 何度もよびました。