ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その4

清左衛門は
働くことができるようになった
12才になった時から
父親と同じように
野良仕事に出かけていました。

当時は
かぞえですので
10才の頃です。

まだまだ
力がなかった時から
働き始めたのです。

それまでは
寺子屋で
読み書きそろばんを
習っていました。

寺子屋の中でも
一番の
物覚えの良さでした。

働き始めると
それまでの
華奢な少年が
筋骨隆々の
体格になってきました。

仕事は
雨の日も
風の日も
かんかん照りの日も
木枯らしがビュービュー吹く日も
黙々と
仕事をしました。

今のように
雨の日のカッパもありません。

夏の雨の日はまだよいにしても
寒くなったことの
雨の日は大変でした。

雨が降らなくても
寒い風の吹く日は
満足な服もなく
手足にあかぎれを作って
辛い日々を送りました。

しかし働かなければ
生きていくことが出来なかったので
不満を言う
人は
清左衛門の家には
いませんでした。