ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その71

亀太郎と
おますは
ふたりだけで
仕事をしていました。

現代では
夫婦が同じ仕事をしている方は
少ないかも知れません。

江戸時代なら
夫婦が
同じ仕事をすることは
当たり前のことでした。

人口の
9割が
農業従事者であった
江戸時代では
夫婦が
揃って
農作業をするのは
当たり前でした。

しかし
亀太郎と
おますのように
ひとつの
大八車を押して
仕事をすることは
希です。

女性が
非常に
大変な仕事である
大八車のあとを押して
男と同じ仕事をすることは
希だったのです。

おますは
前にも言ったように
身の丈
6尺の
大きな女性でしたが
やっぱり
女性です。

おますが
その
大変な仕事を
できたのは
ひとえに
精神力です。

何が何でも
お家の隆盛を
高めることを
ふたりは
言葉も交わさず
理解し合っていたのです。

ふたりの夢は
ただひとつ
「自作農」になることだったのです。