ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「スポンジケーキをつくりたい」その26

社長はじめ社員全員が
キスワンの完成を喜びました。

完成した
キスワンは
法律上は
圧力容器の
規定を受けません。

小さいものは
除外しているのです。

圧力容器の
規定を受けると
取扱者が限定されたり
何年かに一度検査が必要だったり
大変なんです。

キスワンで
はじめて実験することになりました。

圧力タンクで
やった実験の再現ですが
スポンジケーキや
ホイップクリームについての
実験を行いました。

同じ様な
結果です。

条件を変えて
いろんな事をしました。

結果は
あまり変わりません。

作った
スポンジケーキの類は
会社のみんなに配ったり
家に持ち帰って
子供たちの
おやつにしたりしていました。

「役得だ」と
思いました。

餅なんかも
泡立てましたが
あまり変化はありませんでした。

そんな無理な実験を
何度かしました。

同時に
キスワン自体を
特許に出来ないか
弁理士先生に
依頼しました。

いつもの弁理士は
現物を見に来られて
写真を
何枚も撮りました。

正子は
説明をしました。

弁理士先生は
聞いて
うなずいていました。

特に質問は
弁理士先生は
しませんでした。

30分ほどの
現物調査でした。

社長は
正子から
弁理士先生の調査について
聞いたとき
何か心配そうに見えました。

社長は
キスワン本体が
特許にならなかった
これまでの
経費が
無駄になると
考えていたのです。

社長は
セカンドオピニオンを
した方が良いのではないかと
考えていたのです。

今まで頼んでいた
弁理士先生は
信頼がおける
優秀な先生でしたが
「念には念を」を
考えました。

社長の
友達の
娘さんが
新大阪にある
大きな弁理士事務所の
事務員をしていると
聞いていたので
そこに
セカンドオピニオンを
頼むことにしたのです。