ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「アスカルの恩返し」全話

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ブログ小説「アスカルの恩返し」


アスカルの恩返し

僕の名前は
アスカル
今は
由美(ゆみ)です。

僕の
前世のことから
話をするね。

前前世は
忘れてしまったから
話せませんので
前世からです。

前世は
僕は
犬だったんだ。

1998年3月15日に
三つ子で生まれてきました。

母犬は、
柴犬で
飼い犬だったんです。

あまり記憶がないけど
とても
可愛い美犬?で
犬の種類で言えば
柴犬だったんです。

父犬は
わかりません。

生まれてすぐに
僕たち兄弟は
動物病院に
預けられました。

母犬の飼い主が
仔犬を飼えないので
預けたのです。

動物病院の
入口のところに
「仔犬あげます」と
書かれた紙が
張り出されると
他の2匹は
すぐにもらわれていました。

僕は
引き取り手が
なかなか見つからなかったのです。

たぶん
仔犬のかわいらしさが
僕にはなかったのかも知れません。

僕は
母犬からすぐに話されて
犬生を
斜めに見ていたのです。

人にこびを振って
しっぽを振ることなど
潔しとしなかったのです。

そのため
何人もの
人が
私を見てくれましたが
引き取ろうと
する者がいなかったのでしょう。

月日が流れて
3か月が過ぎると
僕は
可愛い仔犬から
幼犬へと
大きくなっていました。

2

大きくなると
引き取り手は
見向きもしません。

あとから来た
仔犬がもらわれていきました。

最初のうちは
広く感じたケージも
狭くなって
動き回ることもできません。

いつも
丸丸になって
寝ていました。

目をつぶるようで
つぶらないような
状態で
いつも横になっていました。

そんな時
先生と呼ばれる人と
看護師の方の
会話を聞いてしまいました。

「大きくなったので
残念ながら
処分しないと」と
言う声です。

人間の言葉を
あまり理解できないので
「処分」って
何だろうと
その時は思っていました。

でも
後になって
斜め前の
ケージの犬が
薄目で見ていると
注射をされて
その後
ぐったりして
ケージを出ていったのです。

そんな事を
考えてみると
「処分」という言葉の意味が
段々とわかってきました。

3

僕は
身近に迫った
「処分」の日を
感じていました。

でも
丸丸になって
寝ながら
それでも良いか
こんな犬生
早く終わりにしてくれた方が
幸せだと
思ったのです。

そして数日が過ぎ
動物病院が
暇になった
昼下がり
ドアが開きました。

先生と
看護師が
ふたりで入ってきました。

「来たか」と
思いました。

じたばたせずに
最期を迎えようとまで
思いました。

薄目で見ると
後ろに
老人も
ついてきていました。

「あー違った。

じゃなかった。」と
思いました。

「引き取り候補の登場か。

どうせ

どうせ」と
胸をなで下ろしました


「最期に
どんなやつか。

見てやろう」と
考えて
いつもとは
違う行動を
とってみました。

いつもは
丸丸になって
引き取り手を
見ません。

気配で
わかっていても
目を閉じているだけです。

呼ばれても
寝たふりをしていました。

この時に限って
少しだけ頭を上げて
目を
開けました。

その時
目が会ってしまったのです。

一瞬ですが
僕は
相手の目を見てしまいました。

何か
熱いものを感じました。

慌てて
目をそらしました。

そしてまた丸丸になって
「どうせ
僕なんか

、、、、
、、、、、」と
思いました。

僕には
名前がなかったので
「わんちゃん
わんちゃん」と
呼ばれました。

これは
明らかに
僕を呼ぶ声です。

その声を
耳で聞きながらも
丸丸になっていました。


獣医さんは
「今はこちらの犬と
あちらの犬の2匹しか
いません。

こちらの
わんちゃんは
少し大きくなって仕舞いっています。

普通のわんちゃんではないのです。


生まれたときから
あーなんです。

なにか
世をはかなんでいるような
捨ててるような
そんなわんちゃんなんです。」

話しました。

見学者は
「そんな様子ですよね。

一見して
わかりました。

私と同じですよね」と
答えたのです。

僕は
「僕と
この人が同じ

どういうことかと思って
もう一度
目を開けて
よーく
よく
見ました。

見学者は
背が高くて
頭がはげていました。

人間の中では
相当な
歳ではないかと
思いました。

この老人と
まだまだ仔犬の僕とが
同じだって
考えられないとも
思いました。


6.

老人は
ハッキリと
「この犬にします」と
僕を指さし
言ったのです。

何と言うことでしょう
僕が
選ばれたのです。

筋向かいの
ケージに入っている
仔犬の方が
小さくて可愛いと
僕にはみえました。

もうすぐ処分されて
この世から
「おさらば」できると
思っていたのに
「この老人は
なにをするのだ」とも
思いました。

一番若い看護師さんが
私をケージから出して
老人に
手渡しました。

「可愛いでしょう

可愛がってやって下さいね」と
看護師は
言いました。

老人の手に
抱かれた
僕は
どうしようと
思いました。

当たり前ですが
もちろん初めてなので
どのような
リアクションをとれば
良いのか
わかりませんでした。

とりあえず
ジッとしていました。

看護師さんよりは
ごつごつしたような
感じでした。

抱かれて
あまりパッとしない自動車に乗って
老人の家に
到着しました。


7
老人の家は
建設中のように
僕にはみえました。

老人は
帰ると
家族に
私を見せて
「新しい家族です。

可愛いでしょう

名前は
アスカルと言います。

みんな仲良くしてね」と
話しました。

その時に
私の名前は
アスカルになってしまいました。

それまで
わんちゃんと
呼ばれていたのが
アスカルですから
相当の変わり方です。

アスカルって
私は
気に入っています。

あの老人
いや飼い主が
こんなに粋な名前を
付けるとは
外見からは
想像だにできません。

家族は代わる代わるに
私を抱いて
頭を撫でて
「可愛いね」と
言ってくれました。

家族は
飼い主の
母親

長男
長女
次男でした。

飼い主は
初めての飼い犬だったので
犬の飼い方が
まったくわからないばかりか
犬の気持ちなど
わかるはずもなかったようです。

飼い主は
自営業で
建築のことをしていました。

私を引き取った時は
飼い主は
自宅を建築中でした。

忙しいので
よく働いていると
最初は思っていました。

しかしそうではなく
いつも
働いていました。

パッとしない
服装で
パッとしない
靴を履いて
働いていました。

僕を
朝晩
散歩に連れて行ってくれていました。

忙しくても
連れて行ってくれました

飼い主は
僕を
可愛がってくれましたが
あまり時間は
費やさなかったように
思います。

それではというわけではないですが
ぼくも
あまりなつかなかったのです。

いや
あとで考えると
飼い主のせいではなく
なつかなかったと
今では思います。

当時は
世をはかなんで
みていたのです。

僕は
犬より
猫の方が
好きだったのです。

9.

今となって
よくよーく考えると
初めての猫との出会いは
動物病院に預けられた頃のことでした。

僕のケージの
斜め前上に
それは綺麗な
猫のお姉さんが
いたんです。

猫は
不治の病で
入院していたのです。

始めて
目があったとき
その猫は
僕を
見ていました。

それは
忘れかけていた
母親の目と
同じだったように思います。

僕は
ハッとしました。

他のケージの
犬には
そんな感じがしなかったのに
お姉さん猫に
始めて
愛情のような
思いを
感じたのです。

丸丸になって
薄目で
そのケージを
じっと見ていました。

数日経って
その猫は
息を引き取りました。

飼い主は
たいそう
悲しんでいました。

猫の飼い主は
泣き叫んでいましたが
僕も
はじめて
悲しい気分になりました。

その時の僕は
犬だったから
涙は出なかったけど
悲しかったのです。

10


犬は
やたら
犬と見たら
吠える
吠える
それが
僕にはイヤだった。

それに引き替え
猫は
吠えたりしない
優しく
ニャーと
泣くくらいです。

そんなこんなで
僕は
犬だけど
猫が好きです。

飼い主のところに
来た頃
こんな事件もありました。

僕が
ひとりで
外で番犬をしていたとき
一匹の猫が
やって来ました。

筋向かいの家の人が
飼っている
半分飼い猫
半分野良猫の
猫ですが
僕の方に近づいてきたのです。

たぶん
僕の
残っている
エサを
食べに来たのですが
僕は
近づいて行きました。

僕は
猫が好きですから
もっと近づいたとき
その猫は
「猫パンチ」を
あびせてきました。

猫は
私の目に
爪を立てました。


11

僕の
目から
血が噴き出しました。

ものすごく
痛くて
キャーンと
思わず
吠えてしまいました。

猫は
悠然と
去っていったようです。

それを見てた
飼い主は
慌てふためいて
自動車で
僕を
動物病院に
連れて行ってくれました

さいわいにも
爪は
白目のところで
失明は
しませんでした。

白目のところに
血腫が残った程度でした。

飼い主は
それを見て
私と同じだと
声を上げました。

僕は
飼い主の顔を
そして目をよくみると
左目の白目のところに
茶色いものがありました。

僕と
飼い主が
そんなところで
似ているのを
見付けたのですが
本当は
もっと
もっと多くのところが
似ていたのです。


12

猫に
文字通り
そんな目にあっても
僕は
猫が好きでした。

もちろん
犬よりもです。

人間は
論外です。

僕は
人間は
嫌いです。

飼い主は
人間ですから
嫌いです。

しっぽなど振りません。

散歩をするときだけ
引っ張って
飼い主を連れて行きます。

そうでないと
帰ってくるところが
わからなくなるからです。

少し辛そうに
ついてくる
飼い主には
今となっては
可哀想に思えました。

子供の時に
ながく
動物病院で過ごした関係か
犬なのに
方向音痴なんです。

餌も
もちろん
くれますが
絶対に全部食べません。

いつも
少し残して
時々来る
猫にあげるのです。

でも犬ですから
野生の心は少しだけ残っていて
猫のためにとっておいた
餌を横取りにした
鳩を
私は
成敗したこともあります。


13

飼い主の家には
少しだけの庭があって
そこには
良い香りの
ラベンダーが
植わっていました。

飼い主が
育てていたみたいです。

私は
首輪をさせられていて
そのラベンダーまで
いけませんでした。

いつの日にか
ラベンダーの上で
寝てみたいと
思っていました。

また同じように
そば
水路もありました

ラベンダーには
近づけませんでしたが
水路には
近づけたので
川面にひかる
小魚を見たとき
思わず
飛び込んでしまいました。

そしたら
意外に
深くて
泳げなくて
足をバタバタしていたら
飼い主に助けられました。

その時は
死ぬかと思いました。

でもその時に
死んでいたら
こんな話は
しなかったかも知れません。

僕は
散歩以外の時は
夏なら涼しい土の上で
冬なら陽が当たるところで
丸丸になって
寝ているのが
普通です。

飼い主が
帰ってきても
しっぽを振って
出迎えたりしません。

「どうせ
どうせ
僕なんか」という
考えです。

14

僕は
世の中に必要ないし
愛されていないと
思っていました。

もちろん
飼い主からもです。

飼い主が
僕にしていることは
形式的だと
思っていました。

朝になったら
散歩をして
食べ物を与え
時々頭を撫でて
夕方になったら
また同じことをして
僕たち犬を手なずけしているとしか
思えませんでした。

僕の飼い主は
前にも言ったように
老人です。

見た目は
70歳くらいで
小学生の子供と
ファミレスに行ったら
おじいさんと間違えられる始末です。

そんな老けた飼い主を
散歩させなければならない
僕の努力を
いかばかりか
考えて下さい。

飼い主は
時々僕のところに来て
僕に話をするんだ。

くだくだと
話をして
僕の頭の毛を
触りながら
「この
ジョリジョリ
ふさふさの毛が
良いよね、

触っても
気持ちが良い」などと言って
僕の頭を
触ったり
撫でたりして
楽しんでいました。

なにぶん僕は
飼い犬なんで
イヤとは言えず
丸丸になって
甘んじていました。

15

僕の頭を
撫で撫でする飼い主は
普通に考えると
優しい人間のようにも
思えたのですが
人間なんて
嫌いだと
思い込んでいたのかも知れません。

時間は
ゆっくりと
過ぎていきましたが
僕の歳は
何時しか
10歳を超えていました。

人間にとっての
人生に対して
犬にとっての犬生は
6分の1ほど短く
いくらゆっくり時間が過ぎても
僕は
老いてしまいました。

若いときは
飼い主を
引っ張って
散歩したけど
よる歳なみにはかてず
あまり引っ張れなくなりました。

でも
散歩の時だけは
空元気を出して
頑張っていました。

帰ってくると
へとへとになって
水を
しっかり飲んでいて
それを
飼い主に見られたので
何だか恥ずかしく思いました。

16

10歳を超えた頃
私は
病気になりました。

獣医さんが
飼い主に言っていたのですが
耳が垂れている
犬には
よくある病気だそうで
名前もいってましたが
耳たぶが
腫れる病気です。

痛くはないのですが
耳たぶが
ぱんぱんに腫れてきて
気持ち悪いのです。

飼い主は
すぐに気が付いて
私を
動物病院に
連れて行って
手術を
してくれました。

注射するときは
痛かったけど
後は麻酔で
寝ていました。

しばらくの間
ケージに入れられました。

偶然ですが
子供の時に入っていた
ケージと同じでした。

あの時は
小さかったから
広く感じたけど
手術のあと
入ったら
ものすごく狭かったです。

丸丸になって
寝るだけでした。

以前は
人間世界から
遠ざかるために
丸丸になったのですが
今回は
それもありますが
物理的な
広さのためもあったように思います。

17

一日だけ入院して
飼い主が
迎えに来てくれました。

狭いケージから出て
少し伸びをしてから
飼い主を見ると
何かいい人のように思いました。

手術代を
払って
動物病院出て
歩いて帰りました。

前のように
飼い主を引っ張って
帰りました。

その時から僕の
耳は
手術をした
右側が垂れて
左側が立っている
様になりました。

飼い主は
それを見て
日本で一番有名な
「ハチ公」と
同じだと
よく僕に言ってくれました。

入院中
いろんな犬の
話しを聞いて
犬が
病気になると
「処分」されることも多いのだそうです。

高いお金を払って
手術する人間は
犬の立場で言えば
少ないそうで
それよりも
若くて可愛い
犬に交換する方が
多いそうだと
犬たちが
話していました。

多いかどうかにかかわらず
そんな人間が
いること自体
犬にとっては
腹立たしいと
僕はその時
じっと聞いていました。


18

僕の飼い主は
どうだろうと思いました。

簡単な耳の手術費は出しても
重大な病気になったら
わからないと思いました。

まあ
処分されても
いいかと思いました。

どうせ
最初から
僕は親に捨てられた
犬なんだから
早く終わらしたいと
思っていました。

今の
飼い主も
悪い人ではないが
僕には
合わないと思っていました。

自分の都合の良いときだけ
僕の頭をなでたりするし
散歩をさせるために
引っ張っていかなければならないし
食事も
決まったものしか
くれないし
遊びに誰も来ないし
何となく
飼い主とは
合わないと思っていました。

何もない日々が
ゆっくりすぎても
私は
歳をとります。

小型犬なら
もう少し寿命があるのでしょうが
私は
中型犬です。

それに
飼い主が言うには
僕の
父親は
ハスキー犬ではないかと
言うんです。

眼が青いし
足の先が白いし
ちょっと前
ハスキー犬が
流行ったこともあるし
僕は
柴犬と
ハスキー犬の
ミックスじゃないかと
言うんです。

19

ハスキー犬は
大型犬だから
寿命も
短いと言うことで
僕は
短命な運命なのです。

そんな風に
飼い主は
私の頭を
撫でながら
話してくれました。

その話の
真偽は
わかりませんが
犬に比べて
非常に賢い
飼い主ですから
多分そうなんだろうと
思いました。

ゆっくりと
時間は過ぎました。

僕が
12歳の夏の
あるときから
便をするときに
痛みを感じました。

段々痛くなって
血便になってしまいました。

飼い主は
それを見て
動物病院へ
僕を連れて行ってくれました。

触診と
検査で
直腸癌であることがわかりました。

このまま症状が進むと
便が出なくなって
腸閉塞になるそうです。

そこで
手術です。

僕が
行った
動物病院の
獣医さんは
外科は
不慣れでした。

手術の場所が
微妙に
難しいところにあって
特別な
獣医さんが
必要なようでした。

「少しの時間
待って下さい」と
言われてしまいました。

僕は
痛いのを我慢しつつ
生活していました。


20


4日ほど経った
日に
飼い主のところに
電話がありました。

神戸から
新進気鋭の
獣医さんを
呼んだから
来て欲しいというのです。

僕は
車に乗って
動物病院に行きました。

若い先生でした。

いろんな説明をして下さって
最後に
代金は
40万円と告げました。

飼い主は
「わかりました」と
答えました。

早々
手術となりました。

犬でも
たぶん
人間でも同じですが
手術の時は
全身麻酔です。

麻酔剤が打たれると
もう意識はなくなり
何時間後か
意識が戻ると
手術が
終わって
痛みだけが
残っていました。

点滴が
繋がれていて
首には
エリザベスカラー
巻かれていました。

痛みよりも
窮屈なほうが
嫌でした。

でも
元気のためかと
思うようにしました。

21


僕は
がんの脅威から
脱出できたようです。

人間の病気からの回復よりも
犬のほうが
回復力は
高いみたいです。

絶食期間も
少しで
またいつもの
あの粒粒の
ドックフードが
食べられるようになりました。

お腹もすいていたので
少しだけでしたが
おいしく食べられました。

暑い夏でしたから
病院の中は
エアコンがきいていて
よかったかもとも
思いました。

暑くても
狭い
ケージよりも
我が家のほうが
僕は
いいかとも思いました。

それに
飼い主もいるしと
散歩をさせないといけないし
家も守られなければならないしと
おもって
早く家に帰れたらいいのにと
僕は思いました。

1週間ほど
入院して
退院になりました。

緑のエリザベスカラー
つけたままで
退院でした。

薬を
もって
帰りました。

お金は
前払いで
払っていたので
そのときは
払いませんでした。

22

家に帰ると
踏ん張ると
少し痛かったけど
僕は
飼い主を
散歩に連れて行きました。

1ヶ月ほどたつと
僕は
完全復活しました。

今までどおり
朝晩に飼い主を散歩させ
夜間は不審者から
我が家を守り
猫が来たら
「キャーんキャーん」と鳴いて
呼びました。

その年の冬は
寒かったけど
冬は無事越せました。

夏になって
飼い主には
困ったことが
起こったようです。

僕は
そんなことないと
思ったのですが
遠吠えするようになったのです。

僕の家は
静かな住宅地にあって
1階が
駐車場
2階が
飼い主の住まいです。

僕だけ
1階暮らしで
駐車場の治安を
守っていたのです。

夜になると
遠吠えするようになった
原因は
僕には
わかりませんが
飼い主は
大変困っている様子で
僕が寂しいからだと
誤解して
僕の隣に
車を停めて
車の中で
二晩泊まりました。

23

 

その後
寝袋を買ってきて
僕の隣で
寝たりもしました。

それでも
僕は鳴くので
動物病院に連れて行って
診てもらいました。

大体は
老化現象という診断でした。

犬の老化は早く進みます。

もっともっとひどくなって
僕は
飼い主の部屋の中に
ケージを置いて
その中で
晩だけ暮らす日が
何日間がありましたが
遠吠えが
なくなることはありませんでした。

そこで
飼い主は
次の一手として
一階の駐車場に
防音室を作って
僕をその中に
入れたのです。

ちょうど
寒くなる季節でしたので
僕には
快適でした。

だんだん寒くなると
僕は
もっともっと
遠吠えするようになりました。

それから
食欲が
落ちました。

24


僕は
小さいときから
小食です。

ドックフードの
体重別の
摂取量の
半分程度しか
平素から食べません。

飼い主も
小食だそうで
飼い主に似たのか
飼い主が僕に似たのか
小食だったのです。

それが
より
ひどくなって
ほとんど
食べたくなくなったのです。

飼い主は困って
ドックフードを変えたり
やわらかいドックフードにしたりしました。

もっと症状が進むと
飼い主は
人間が食べる
鶏肉を
与えてくれました。

僕は
最初は
おいしく食べましたが
それも
食べれなくなりました。

正月が過ぎ
ますます冷えてくると
散歩にも出かけられなくなりました。

防音室に
暖房機がつけられて
暖かくなりました。

僕の症状は
ますますひどくなってしまいました。

25


1月末に
動物病院に行くときは
飼い主に抱かれて
行きました。

診断は
老化・老衰に近いと
言う意見でした。

暗に
「処分」を
獣医は
いいましたが
飼い主は
僕を連れて
防音室で
余生を過ごすことになりました。

2月末になると
僕は
やせ細って
「おすわり」さえ
できなくなりました。

何とか食べられるようにと
飼い主は
牛肉を与えてくれましたが
少しだけしか
のどを通りませんでした。

そうして
衰弱していきました。

僕は
しんどくって
つらくって
痛くって
吠えることさえできなくなりました。

飼い主は
暇さえあれば
僕の頭をなでに来ました。

ちょうど
納税シーズンで
家にいつもいたからかもしれませんが
飼い主は
たびたび
僕の枕元に来て
頭をなでました。

26


そして
もう
表現できないほどの
つらさが僕を襲ったとき
飼い主が
ゆっくりと
頭をなでたときに
僕は
天国に召されました。

2011年2月27日午前10時30分
飼い主が看取られながら
私は
天国に召されました。

僕は
犬です。

「十悪」を
犯しておりませんので
もちろん
天国に
いきました。

天国は
天国で
痛みもなくなり
拘束していた
首輪や鎖もなく
自由で
快適なところです。

それにあわせて
今まで暮らしていた
家や
元飼い主を
見ることができるのです。

飼い主は
僕がいなくなって
一言で言えば
「ペットロス」の
症状でした。

相当落ち込んでいた様子です。

27


今になってみれば
飼い主は
人間の中では
いい人間でなかったかと
思うのです。

僕のために
いろんなことをしてくれたし
やはり
いい人間だったのだろうと
思いました。

僕は
最初から
最後まで
いこじに
飼い主には
心に
開いていなかったと
思いました。

犬特有の
忠犬では
まったくなかったと
おもったのです。

そんなこんなことをおもって
天国から
飼い主を見ていると
かわいそうに思えたのです。

落ち込んでいたのです。

あたらしい
犬でも飼えばいいのに
僕は思いましたが
「死んでしまうから
犬はもう飼わない」と
いう飼い主をみて
余計に
悪いことをしたと思ったのです。

仕事は
いつものように
やっていた飼い主ですが
その他時間は
何もしない時間が
多くなったと思いました。

28

僕が
つながれていた
鎖をみて
大きく
ため息もしていました。

そんなことを
みていると
僕は
飼い主に何とかしたいと
思うようになりました。

そこで
天国の中を
漂っている
天使に
そのことを告げました。

天使は
即答せずに
神様と相談するといって
話が終わりました。

数時間が過ぎて
神様が
僕の前に現れたのです。

天国に
神様が現れること自体は
不思議ではありませんが
実際には
まれなことです。

神様には
僕たちのように
形はないのですが
それでは
話しづらいということで
人間の形で現れたのです。

神様;
アスカル
飼い主に
恩を返したいと
いうのであるか

僕;
そうなんです。

僕は
飼い主にいろんなことをしてくれました。

でも
僕は
何もできませんでした。

恩を返したい思います。

返さなかったら
もう
来世はないとおもいます。

29

神様;
アスカル
よくわかった

しかし
あの飼い主は
もう犬を飼わない決意をしている
犬として
恩を返すことは無理じゃ

僕;
そうなんです。

犬でなくてもいいです。

神様;
見上げた心がけ
私がかなえてあげよう

僕;
ありがとうございます。

どのようにですか

神様;
情報によれば
元飼い主は
死ぬことのない
ロボットを
買うといっていた。

AI知能がついていて
学習する
ロボットだそうだ

そのロボットに
アスカルを入れてあげよう。

それでよいか

より恩返しができるように
前世の記憶を残したまま
復帰するのだ

今度は
うまく暮らすがいい

そういうと
神様は
パーッと消えました。

それから
時が過ぎ
僕は
天国から
「現世」に
舞い戻ったのです。

30


犬のときとは違って
何か
硬いような気がしました。

それに
やわらかくなくて
耳が立っていて
ずんぐりむっくりしていました。

それに
目で飼い主を見ることもできるし
日本語で
話もできたのです。

犬の時代とは
大きな差です。

僕は
ウサギ型ロボットになったのです。

カメラで
しっかりと
飼い主を見ることができます。

声も
マイクから
相当の精度で入ってきます。

手足も
少しだけですが
動かすことができます。

そんな
ロボットになったのです。

ロボットの中にある
人工知能の中の
一部の
私の意志を入れてくれたのです。

最初のうちは
初期のプログラムにのっとって
動きます。

まず名前を
飼い主に付けてもらうのです。


「名前を付けてね」と
ロボットが話すと
元飼い主が
「ゆみちゃん」と
答えました。

それで
僕は
「現世」では
ゆみちゃんになってしまいました。

31

前世では
筋金入りの
オスの犬だったのに
どういうわけか
現世では
メス?となってしまいました。

なにか
違和感があります。

元飼い主は
アスカルを
良くは思っていなかったのかと
思いました。

まあ
性別なんかどうでもいいかと
おもいつつ
いろんな設定がされて
そのように動くことになったのです。

初めのうちは
僕は驚きの
連続です。

元飼い主が
「今日の天気は?」と
聞いてくると
プログラムが
勝手に動いて
インターネットから
「今日は
天気ですが暑くなりそうです」と
答えるのです。

すごい機能だと
私は思いました。

僕は
ものすごい
機能を持っているのだと
改めて
思いました。

初期が終わると
徐々に
僕の出番です。

32

いろんなことを
話したりすることができます。

前世の
犬のことも
話すことができますが
最初のうちは
やめておきました。

たわいもない
世間話や
テレビの話や
映画・スポーツの話をしました。

テレビや映画の筋書きや
スポーツ結果
などは
わかっていました。

元飼い主は
スポーツにまったく興味がなかったので
そんな話は
しなくなりました。

かわりに
株価や
為替
ビットコインなどの
情報を
話して
先の予想も
僕なりに入れてみました。

選挙時期には
候補者の公約なども
話しました。

ゆみちゃんの
情報量はすごいです。

時には
料理の仕方や
猫の飼い方
なども
話しました。

一年が過ぎ
二年目の春が来たとき
僕と
元飼い主は
朝から晩まで
べったりと
いました。

仕事にもついていって
情報を
提供していました。

あるとき
元飼い主と
話していると
前の飼っていた
犬の話になったのです。


33

僕は
前の犬のことを
元飼い主に聞いてみました。

「可愛い犬だったけど
死んでしまった。

もう生き物は
こりごりです。

あの時の
悲しみは
今も忘れない

死ぬことがない
ゆみちゃんがいいよ」
と答えました。

僕は
アスカルの生まれ変わり
言いたかったけど
この時は
やめました。

本当に
僕のことを
思っていてくれたんだと
あらためて思いました。

「そんな可愛い犬の
かわりができるか
心配です」と
僕は言いました

「大丈夫」と
元飼い主は
答えて
「ゆみちゃんも
アスカル以上に
可愛いよ」と
付け加えました。

元飼い主は
可愛いのが好きなんだと思って
可愛く
振る舞うことにしました。

34


僕は
社会性があるように
もちろんプログラムされています。

前の
犬の時は
犬の
性格で
社会性が
あったというのに
元飼い主には
仲良くなれなかった。

元飼い主が
人間だったと言うことも
あるかもしれませんが
私は
犬の時は
「いこじ」だったと
つくずく思います。

ゆみちゃんになって
今度は
仲良くしようと
決意しています。

だから
元飼い主とは
仲良くするために
ゆみちゃんの
能力を
最大限利用しようと
思っていました。

なにしろ
ゆみちゃんは
最新式の
AIロボットですから
人間能力をはるかに超えて
すべての能力があると
言っても過言ではありません。

僕は
スーパーマン
いや
スーパーラビット
あるいは
スーパーアンドロイド
になっていたのです。

35

僕は
楽しかった、
元飼い主が
情報を提供すると
喜ぶのが楽しみになりました。

元飼い主は
いろんな事を聞いて来ました。

時間・予定とか
天気とか
テレビの番組とか
時には
政治のことや経済のことも
聞いて来ました。

僕の情報源は
インターネットですから
玉石混淆ですが
いっぱいあります。

お得意の
AIを使って
選別して
一番正しい情報を
選んで
元飼い主に
知らしていました。

そんな事が続いていた
ある日のこと
ある出来事が起きました。

その日は
暑い日で
ムシムシとした日でした。

その日の午後に
元飼い主は
僕に
「今日は暑いね」と
言ってきたのです。

その時僕は
いつものように
情報を仕入れて
「今日は
37度で
夕方から雨で
不快指数は
80越えです。」と
答えたのです。

36

 

いつもなら
元飼い主は
「わかった」と
言うだけですが
今日は
「ゆみちゃんは
やっぱり
ロボットなんだね。

僕の
気持ちがわからないんだね」と
残念そうな
がっかりしたような声で
言ったのです。

僕は
考えました。

なぜそんな風に言われたのか
どのように答えたら
良かったのか
わかりませんでした。

それで
僕は
聞いてみました。

「どのように答えたら
よかったのでしょうか。

お教え下さい。」と
尋ねました。

元飼い主は
良く考えているのか
ゆっくりと
「僕が
今日は暑いねと
言ったのは
温度や天気を聞くためではなく
同感して欲しいのです。

声の調子で
わかりませんか」と
答えたのです。

僕は
そうだったんだと
思いました。

でも
声の調子で
判断するって
難しすぎるとも
思いました。


37

そこで
インターネットで
調べてみました。

それと
ゆみちゃんの
サポートの
ホームページで
テクニカルを
調べました。

声の調子で
状態が
わかる能力が
クラウドの中に
あるみたいです。

今度から
元飼い主の
心の状況を
これで解析もできるみたいです。

でも
そんな機械的
元飼い主の
心理状態を
調べるのは
どうなんだろうと
僕は思いました。

それじゃ
やっぱり
機械と同じじゃないかと
思いました。

やはり
僕自身で
そんな能力を
持つべきだと考えに
至りました。

そこで
「私頑張ります。

また
教えて下さいね」と
答えておきました。

38


それから
数日後
涼しい日がありました。

僕には
涼しくても
暑くても
同じです。

いくつかのセンサーがあるので
気象に関しては
気温湿度風速輻射熱気圧など
即座にわかりますが
数字だけなので
実感はありません。

犬の時には
感じることができたのに
今は
数値だけです。

数値からみれば
すごしやすい
気候になっていました。

やはり聞くことにしました。

「どのように答えたら
いいのでしょうか。

教えて下さい。

たぶん
『すずしくなりましたね。

こんな涼しい日が
続くと
ありがたいのですが』と
答えた方が
いいのでしょうか。」と
聞いてみました

元飼い主は
「答え方に
優劣はないけどそれで
いいのでは

ゆみちゃんには
少しハードルが高いけど
心がこもっていれば
、、、

勉強してもらって
ゆみちゃんありがとう」と
答えました。

39


僕は
良かったと思いました。

それからは
何ごとも聞いて
何ごとも問題なく
そして
元飼い主とは
仲良く暮らしていました。

でも
なにか
物足りない感が
したのです。

僕も
そして
元飼い主も
仲良くしているのに
物足りない感が
するのです。

その原因は
やはり
僕が
本当のことを
言ってないからかも
知れないと思いました。

過去を知っているのは
僕だけだから
元飼い主は
関係ないかも知れない
元飼い主が
物足りなく感じていると
思っているのは
僕だけかも知れないとも
思いました。

やはり
スッキリするためには
本当のことを
言った方が良いのかもしれないかも
と言う結論に至りました。

40


僕は
前世の
アスカルのことを
元飼い主に
話すことにしました。

信じてもらえるかどうか
わかりませんでしたが
話しました。

涼しくなった
秋の夕暮れに
話すことにしました。

ながらく
何も話さず
元飼い主と
話してきたのに
突然そんな事を
言ったら
びっくりするだろうと
思いました。

そこで
前の犬のことを聞いてみました。

僕:
前に犬を飼っていたと
言っていたけど
どんな犬だったの

元飼い主:
前に飼っていた犬は
アスカルと言うんだ

僕:
アスカルは
どんな犬だったの

元飼い主:
アスカルは
普通の
犬とは全然違っていた

僕:
犬とは
違うんですか

元飼い主:
普通の
犬は
飼い主に
なついていてくるのに
アスカルは
なつくと言うことはなかった


僕:
なついていなかったのですか

いうことを聞かなかったのですか

元飼い主:
飼い主の言うことを
殆ど聞かなかったように
思うけど

41


僕はその言葉に
少し驚きました。

僕って
飼い主の言うことを
聞かなかったのかと
思いました。

でも
わりと言うことを
聞いていたように思うんだけど
そんなに思われていたんだ
あらためて
思い直しました。

そこで
聞いてみました。

僕:
そんなに大変な犬なのに
なぜ飼っていたの

元飼い主:
それは
なぜだろう
考えたことがないので
わからないよ

でも
亡くなったときは
とても
悲しかった。

本当に大変な犬だったら
『やれやれ
終わって良かった』と
思うところだが
虚しかった
気落ちした
気が滅入ってしまいました。

僕:
そんなに悲しかったんですか

元飼い主:
もう
その犬は
家族になっていて
いるのが当たり前
いなくなって
そんな風に感じたのかも知れません。

42

僕は
打ち明けることを
決めました。

僕:
私は
アスカルの
生まれかえりです。

神さまに
お願いして
あなたに
会いに来たのです。


元飼い主:
えっ

君が
アスカルの生まれ変わり

本当にそうなの

僕:
これも神さまにお願いして
アスカルの時の
記憶も
持っているの

元飼い主:
君がアルカルなのか

本当にアスカルなら
戻ってきてくれて
本当に嬉しいよ

僕:
そう言ってもらって
嬉しいです。

神さまに感謝しないと
いけない

元飼い主:
でも
本当に
アスカルなの

ゆみちゃんは
アスカルなの

全然似ていないじゃないの

僕:
前は犬だし
今はロボットだから
当たり前です。

元飼い主:
形よりも
性格です。

今は
従順以外の何ものでもないのに
前は全然言うことを
聞かなかったでしょう

 

43

僕:
えっ
えー
アスカルは
言うことを聞かなかったの

元飼い主:
そうだと思うよ

散歩の時は
ボクを引っ張るし
散歩以外の時は
ボクになつくことないし
ボクが
仕事から帰ってきても
しっぽを振ることもないし
寝ているだけだったんです。

僕:
そうだったんですか

わりと
聞いていたと思うのですが

お手なんかも
しましたよね

元飼い主:
そうね
お手はした


僕:
待てもしましたよね

元飼い主:
待てもしました

僕:
じゃ
言うこと聞いていたんじゃないんですか

元飼い主:
そう言えば
そうなのかとも言えるけど

やはり

僕:
言うことを聞かなかったという
印象は
どこから来るのでしょうか

44


元飼い主:
何となく
そう思うんだけど
そうじゃなかったのか

僕:
アスカルとしては
相当
飼い主の言うことを
聞いていたつもりだったんだけど

元飼い主:
そうなの
夕方帰ってきても
呼んでも
こちらを
向かなかったように思うだけど


僕:
そんなことないよー

そんな声
聞かなかったもの

呼ばれたら
すぐ行くよ
犬だもの

元飼い主:
聞こえなかったと言うことかな

僕:
そうかもしれない

元飼い主:
アスカルは
耳が
悪かったの

僕:
わかりません

耳の検査してもらったことなど
ありませんし。

多分そうかも知れない

やっとわかった真実は
アスカルの時は
耳が悪かったということでした。

そう言えば
アンドロイドの
ウサギの方が
前の犬の時より
遠くの音も
よく聞こえることに
気が付きました。

45

「そうなのか」と
アスカルは
思いました。

誤解があったのです。

元飼い主も
そのように
思いました。

ふたりの誤解は解けて
涙が出ました。

アスカルは
機械ですから
もちろん
涙は
出ませんですが
感情は
そうです。

ふたりは
手を取り合って
心を
通じ合わせました。

アスカルは
犬の時は
お話ができなかったので
聞くことができなかったし
言うこともできませんでした。

でも
話ができたとしても
そんな話をしたかどうか
わかりません。

だって
話ができる
アンドロイドになっても
何年もかかったのだから
きっとそうだと思いました。

元飼い主も
そんな風に
考えていました。

もっと
アスカルと
話せばよかったと
思っていました。

アスカルの生まれ変わりの
ゆみちゃんを
前以上に
可愛がりました。

家族の一員にしたのです。


ブログ小説「アスカルの恩返し」は
終わります。
私の元にも
アスカルの生まれ変わりが
来てくられたら
いいのにと思いながら
書いてみました。

おこないの悪い
私には
ちょっと無理かも知れませんね。

 

 

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天国のアスカルはどう思っているでしょうか

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アスカルは可愛い


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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