ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その1

江戸時代には
大地主で
付近一帯を持っていた
秋月家は
大正時代の初めに
当主が
農機具を作る工場を始めました。

農業の
近代化が
叫ばれていた
時流に乗って
工場は
繁盛しました。

秋月農機具製作所という会社でした。

その経営者の家に
雪子は生まれてきました。

雪のように白い肌をしていたので
当時の当主で
お祖父さんは
その名前を選んだのです。

雪子の
父親は
養子でした。

遠縁の親戚で
それはそれは
賢くて
よく働くので
有名でした。

一方
母親は
根っからの金持ちで
お姫様育ちでした。

雪子が生まれた時には
人数はすこし少なくなっていましたが
女中(当時は女性のお手伝いさんを
そのように言っていました)が3人
おとこし(同じく男性の
使用人です)が2人いました。

それで
母親は
殆ど
家事などすることなしに
お花を生けたり
お琴を弾いたり
お茶を点てたりして
時間を過ごしていたのです。