ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

子供の頃の「へっついさん」

子供の頃は、台所の土間に
へっついさんがありました。
こちらの地方では、かまどのことを、
「へっつい」と呼びます。
「へっつい」は、神様が宿るところで、お正月には、
餅を供えます。
それで畏怖の念を込めて「へっついさん」と呼びます。

へっついさんは、
麦ご飯を炊いたり、牛のロール(牛の餌のことです)を用意したり、
冬の寒い朝、手水(ちょうず;朝起きた時に顔を洗うこと)の水を、
暖めるためにお湯を少し入れたりするために使いました。

どこの家もガスが来るまで、使っていたことと思います。
私の住んでいる地方では、山がありません。
そのため、薪を手に入れるためには、お金を出さなければなりません。
良く言えば倹約家の我が家では、薪を買うことは、しません。
稲わら、麦わらを使います。わらを丸めて火を付けて
へっついさんに入れると、一瞬パッと燃えてすぐに火は、小さくなります。
すぐにわらを丸めてくべなくては、なりません。

そんな燃料としてのわらも、わら縄が現金で売れるので、
すべて燃やすことは、できません。
我が家では、足らない燃料は、近くに収穫に行きます。
初冬の日にリヤカーを引いて家から1kmほど行った空き地に行きます。
そこには、「唐人草」が冬になって冬枯れしています。
たぶん「唐人草」は、セイタカアワダチソウでなかったかなと思います。
鎌で刈ってリヤカーに山盛り乗せて帰ります。
乾いて軽くなっていますが、リヤカーに山盛りにすると、
相当重いものになります。
途中で藻川の堤防を上らなければなりません。
私もあまり役に立たなかったと思いますが、
リヤカーの後を押したのを憶えています。
夕日がきれいでした。

貧しかったけど楽しかったあの頃ですね。