ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

昭和35年頃の初めの頃 さくら荘 その33

昭和35年ごろの初めの頃 さくら荘 その33

今日は前の続きではなく
一話鍵の話を挟みます。

昔の映画を見ているときに
「鍵穴から部屋の中をのぞく」というシーンを
見たことはありませんか。

でも今の鍵穴をのぞいても
中は絶対に見えませんよね。

本当にのぞけたのでしょうか。
のぞけたんですね。
中ののぞける今なら欠陥商品の鍵の名前は、
「箱錠」と言います。
箱錠は、
当時としては、唯一の
外からも中からも掛けられる鍵なのです。

『箱錠』の構造は、
簡単と言えば簡単です。

まず問題を簡単にするため
語句を説明したいと思います。
鍵とは、
手に持って持ち歩く物で
これのみを鍵といいます。
ドア等に付いている鍵を入れるものは、
『錠』または『錠前』と言います。

箱錠の鍵は、
軸と鍵目が付いた旗のような部分に
分かれます。

鍵を錠に差し込む穴は、
いわゆる鍵穴ですが
これは、丸い穴とそれから続く長方形の穴の形をしてます。
この鍵穴の形は、
前方後円墳の形に似ています。
私が習った社会の教科書には、
鍵穴形と書いてありました。

この鍵穴の丸い部分に軸を
長方形の部分には、旗のような部分を差し込みます。
ある程度差し込むと
軸の部分が太くなっていて
差し込めなくなるようになります。

そうすると鍵を回します。
箱錠の中には、
旗の切抜きの形に合わせて
壁が設けてあり
旗の切抜きと
壁の切抜きとの形が合うと
そこを通り抜けて
籠のデッドボルトを動かす突起を
移動させるように回転します。

こうして鍵の開閉ができるのです。
外からと中からと
同じ鍵で開けるために
それも簡単に開けるために
旗の部分が
前後で対称になっています。
それによって簡単にできるのですが、
当然鍵穴は、中からと外から共用ですので
部屋の内外が通じているのです。

のぞける以外にも
この箱錠は、大きな欠陥があります。
それは、鍵の種類が
少ないことです。
上記原理のに従えば
左右対称で
必ず軸と繋がらなくてはなりませんので
いろいろな形を編み出すことができません。

たぶん十数種類しか鍵がありません。
さくら荘は、20室のでかろうじて
すべて別々の鍵になったか
あるいは、同じ鍵の部屋が
あったかもしれません。

当時の空き巣は、
この鍵を
すべて持っていたら
いつでもは入れたのです。
事実持っていた空き巣は多いと聞いたことがあります。

ピッキングなど必要ないのです。

びっくりしますよね。
鍵は大事なものなのに
隣の人と同じなんて、、、