妖精は
冷蔵庫のありあわせで
作ったシチューと
野菜サラダ
それから
残り物の煮豆を
手際よく
盛り付けて
莉子の前に並べました。
莉子:
わー
さすがね
だてに歳をとっていないのね
莉子は
食べようとすると
妖精:
だめよ
直ぐに食べたらだめ
まず食事の感謝を
言わないと
だめよ
それが内面からも
綺麗になるのよ
莉子:
そうよね
ひとりで
食べていたから
そんなこと今まで気づかなかったわ
妖精:
私が今から食事の前の言葉を言うから
反復して
「天にましますわれらの神よ
今日の糧を
私たちに
お与えくださいまして
ありがとうございます。
明日もよき日なりますように
神様の祝福があらんことを」
莉子:
「天にましますわれらの神よ
今日の糧を
私たちに
お与えくださいまして
ありがとうございます。
明日もよき日なりますように
神様の祝福があらんことを」
ちょっとこれは
キリスト教なの
あなたはキリスト教の信者
妖精:
そんなこともないけど
食べましょ
莉子:
おいしそう
じゃ
妖精:
だめでしょう
もっとおしとやかに
右手で
持って
食べないと
優雅に食べるのよ
莉子:
えー
まただめだし
今日はいいでしょう
明日からね
そう言って
莉子は食べ始めました