ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ロフトの奇跡 前編 その19まで

ロフトの奇跡

皆様が
このお話しを信じるか
信じないかは
ご自由です。

しかし
超自然的な力が
存在するのを
頭から
否定するのはいかがでしょうか。

「何でやねん」と
思われる皆様も
ご一読ください。


大阪に近いあるところに
若い女性が住んでいました。

女性の名前は
莉子と言います。

容姿は
普通です。
美しくもなければ
醜くもなく
可愛くもなければ
憎らしくもない
莉子には申し訳ないが
普通でした。

いつも普通の
お化粧をするので
普通の顔になっていました。

そんな莉子は
自分の顔がいやでした。
もっと美人だったら
いいのに
と思っていました。

莉子は
正社員ではありません。
就職を頑張っていたんですが
面接で
不合格になるのです。

これもそれも
美人なら
きっと合格していたのに
と莉子は考えていました。

でも
顔を
取り替えることも出来ないし
莉子は
これが運命とあきらめていたのです。

子供の時から
ずーとこのあきらめは
続いていて
特に何をすることもなしに
過ごしていたのです。

11月のある日
テレビで
オリオン座の流星群が
現れると
報じていました。

その日の晩
莉子は
なぜか目がさえて
寝付けなかったので
流星群でも
見るために
ロフトの天窓を開けて
空を見ていました。

何気に空を見ていると
流れ星が見えました。
莉子は
「きれい」
と言いました。

夜空に
流れ星が流れるのが
美しかったので
莉子は
そういっただけだったのですが
それを聞いていた
ものがいたのです。

それを聞いていたのは
誰あろう
流星の妖精でした。

そうなんです。
流れ星が流れている間に
望みを言うと
叶うという
あの
迷信は
本当だったのです。

そういわれた
妖精は
莉子を
綺麗にしなくてはならなくなりました。

でも
魔法か何かで
パーと
美しくするというようなことは
妖精には
出来なかったのです。
なんとなれば
まだ未熟な妖精だっとのです。


それで
まず妖精は
その翌日
莉子に近づきました。


莉子が
会社に出かける時
後を付いて行きました。

そして莉子に声を掛けたのです。

妖精:
莉子さんじゃないですか
莉子さんですよね

後ろを振り向き
怪訝な顔で

莉子;
はい莉子ですが
どなた様ですか

妖精:
あっー
私は
妖
洋子です
折り入ってあなたにお願いがあるんです。

莉子:
どのような御用事ですか。
私会社に行かないと
遅刻してしまうのです。

妖精:
ごめんなさい
またご帰宅の時にうかがいます。

莉子:
お願いします。

こうして朝分かれました。
莉子は
洋子さんって
誰だったか
一日中
そんなことを考えていました。



夕方
莉子が
家に帰ると
扉の前で
妖精が待っていました。

妖精:
お帰りなさい

莉子:
洋子さんって言いましたよね
私にどのような
御用事ですか。

妖精:
私は
あなたを美しくするために
やってきました。

莉子:
えー
何なんですか

莉子は
不審な目で
妖精を見ました。

妖精:
話せば長くなるんですが
私は
洋子ではなくて
妖精なんです。

莉子はますます
不審な目で
妖精を見ました。
そして
後ずさりをしながら
妖精から
離れようとしました。

妖精:
私は
不審な者ではありません。
流れ星の妖精なんです。
あなたが
流れ星を見て
「きれい」と
言ったので
私はあなたを
美しくしなければならないのです。

莉子:
何かあなたの話は
要領がつかめません。
何かひと間違いをしておられるんじゃないですか
第一
不審者が私は不審者とは言いませんよね



妖精:
あなたは昨晩
流れ星を見て
「きれい」と
言ったでしょう。


莉子:
うー
言ったような気がしますが
それは流れ星が
きれいといったんですよ。

妖精;
そうなんですか
あなたは綺麗になりたくないんですか

莉子:
なりたいとは思うけど
それは
出来ないでしょう。

妖精:
それをするために私が来たのです。

莉子:
なんかの宗教の勧誘ですか
私間に合っていますから

妖精:
私は宗教の勧誘ではありません。
何度も言いますが
私は
妖精です。
私を信じてください。

莉子:
そんなの信じられません。

妖精:
私が
何か魔法を使いましょう
そしたら信じてくれますか。

莉子:
どんな魔法ですか

妖精:
其れではあそこの木を
輝かしてみます。

そういって
妖精は杖を出して
さっと一振りしました。
そうすると
木が
クリスマスツリーのように
パーと輝きました。

莉子:
おー輝きましたね
どんな仕掛けですか
前もって
何かしておいたでしょう。



妖精:
何もしてませんてば

莉子:
そんなことでは
信じられないわ

妖精:
じゃどんなことをすれば信じるのですか

莉子:
じゃ
世界の戦争を
全部なくして

妖精:
え
それは無理です
私の力では
そんな大きなことは
無理です。
もっと他にありませんか

莉子:
じゃ
戦争は
人為的だから難しいみたいだから
世界中の地震を
なくして

妖精:
そんな無理なことを言わないで
それは
神様でも無理と思います。
他にもっと小さいことで

莉子:
本当に出来るんですか
私をだまして
どうするつもりなんですか。
私お金持っていないし、、
警察呼びますよ

妖精:
疑い深い人ですね
私は妖精なんですって
じゃ
私空を飛んで見せましょう。
私だけが空を飛んでも
またなんか仕掛けがあるのか
と言われそうだから
莉子さんも
ご一緒に

そういって
再び妖精は
杖を振ると
妖精と莉子は
宙に舞い上がりました
莉子は突然のことに
叫びました。

莉子:
わー
わーー
降ろして
降ろして
分かったから

ふたりはゆっくりと地上に降りてきました。

妖精:
私が妖精であることがわかりましたか

莉子:
分かりました。
死ぬかと思った
それで私にどんなご用事

妖精:
だから
言っているじゃありませんか
私はあなたを綺麗にする
使命があるんです。

莉子:
なんかそれが怪しいのよね
あなたが
すごい力を持っていることは
分かったけど
それなら
私の前に現れなくても
遠くから
パーと
私を綺麗にしたらいいじゃないの

妖精:
それが出来るくらいなら
直ぐにやっています。

莉子:
なぜ出来ないんですか
先ほど空を飛んだじゃありませんか
あれも何か仕掛けがあったのですか。

妖精:
私は
まだ妖精に成り立てなんです。
だから
いろんな魔法が
全部使えないんです。
綺麗にすると言う魔法は
難しくて
あと
50年くらい修行しないと
習得できないと思います。


莉子:
50年もかかるのですか
それじゃ私
おばあさんになってしまいます。
そんな先で
綺麗になっても仕方ないじゃないですか。


妖精:
だから他の方法で
莉子さんを綺麗にできないか
お願いに来たのです。

莉子:
もう
やっぱり話しが
かみ合わないわ
どうしたいわけですか

妖精:
お願いなんだけど
こんな外で
話さずに
お家の中に入ってもいいですか。
ここは
ちょっと寒いんですけど。

莉子:
そうね
今日は寒いですね
じゃ
魔法で
暖かくすればいいんじゃないの
それも出来ないの


妖精:
それは出来ます。
でも
魔法を使うと
経費が要るんです。
出来るだけ抑えたいので
家の中に入れてほしいなー

莉子:
何度も言うけど
妖精のことは
分からないなー
じゃー
あまり悪そうな
人じゃないみたいだから
入ってみます。

妖精:
お言葉ですか
人じゃなくて
妖精なんです。
私は
人のよさそうな妖精
いや
妖精のよさそうな妖精
日本語の使い方を
間違えていますね
こんな時は
どんな風に言うんでしょうね。

莉子:
どうでもいいから
どうそ
こちらがお部屋です。
靴は脱ぐのですよ

妖精:
そんな事は分かっています。
以前にも
人間のうちに住んでいたことがあります。
15年位かな
莉子:
えー
私の家にも
そんな長い間
いるつもり
それって
単なる居候なの

妖精:
そんなことありませんよ
いる間は
掃除洗濯お料理
何でも手伝いますし
食費は
半分出しますから、、、

莉子:
分からないのよね
妖精って

妖精:
じゃ晩御飯作ってみます。
何がいいですか
冷蔵庫の中身は、、、と
あまりいいものがないですね。
今日は寒いから
シチューでもしましょうか。

莉子:
あっ
勝手に冷蔵庫開けて
、、、
本当に作ってくれるんですか。

妖精:
任しなさい
料理得意だから
たぶん莉子さんよりは
上手ですよ
だって人間の料理を作って
250年くらい経つもの

莉子:
あなたは
何歳なんですか
私と同い年のように見えるけど


妖精:
私は
人間の歳の数え方では
453歳です。
でも妖精の数え方では
まだ3歳で
まだまだです。

莉子:
えっ
驚くことばかりで
分からないわ

そんな話しをしながらも
妖精の手は
動いて
シチューを作っていました。

莉子:
妖精さんは
料理得意なんですね
任してもいいのかしら

妖精:
任していただいて
いいですよ。
でも時には
莉子さんも作ってください。
でないと
料理忘れてしまいますよ。
それから
私妖精ですけど
名前があるんです。

莉子:
ごめんなさい
名前聞いていなかったわ
お名前は

妖精:
私は
日本名を
星子って言います。

莉子:
そのままですね。

妖精:
神様がお付けになりますので
わりと安直みたいですよ。
森の妖精なんか
森子だったり
川の妖精は
川子だったり
、、、


莉子:
じゃこれから
妖精さんのこと
星子さんと呼びます。
ところで
星子さんは
今晩はこの部屋で寝るの
場所狭いけど

妖精:
お願いします。
帰るところないし
ホテルでしたら
お金もかかるし
どこでもいいです。
あっ
ロフトがいいです。

莉子:
ロフトは私が寝ているところ
ふたり分も
お布団を敷くと狭いかも

妖精:
私が我慢します。

莉子:
そういう意味じゃなくて
私が狭いの

妖精:
大丈夫ですって
明日ロフトを片付けておきますから
それからあさっては
私 妖精の研修会に出なければなりません。
一日居ませんのでよろしく。

莉子:
あ
あ そうですか

そんなことを話している間に
夕食が出来ました。
妖精は
冷蔵庫のありあわせで
作ったシチューと
野菜サラダ
それから
残り物の煮豆を
手際よく
盛り付けて
莉子の前に並べました。

莉子:
わー
さすがね
だてに歳をとっていないのね

莉子は
食べようとすると

妖精:
だめよ
直ぐに食べたらだめ
まず食事の感謝を
言わないと
だめよ
それが内面からも
綺麗になるのよ

莉子:
そうよね
ひとりで
食べていたから
そんなこと今まで気づかなかったわ

妖精:
私が今から食事の前の言葉を言うから
反復して
「天にましますわれらの神よ
今日の糧を
私たちに
お与えくださいまして
ありがとうございます。
明日もよき日なりますように
神様の祝福があらんことを」

莉子:
「天にましますわれらの神よ
今日の糧を
私たちに
お与えくださいまして
ありがとうございます。
明日もよき日なりますように
神様の祝福があらんことを」
ちょっとこれは
キリスト教なの
あなたはキリスト教の信者

妖精:
そんなこともないけど
食べましょ

莉子:
おいしそう
じゃ

妖精:
だめでしょう
もっとおしとやかに
左手で
持って
食べないと
優雅に食べるのよ

莉子:
えー
まただめだし
今日はいいでしょう
明日からね

そう言って
莉子は食べ始めました
莉子:
わーおいしいわ
私の家の台所で
作ったとは思えないほどの
おいしい出来栄え
ちょっとこれ
魔法を使ったとか

妖精:
こんなものに魔法は使うまでもありません。

莉子:
こんなに星子さんは
料理が上手なら
お店でもしたらいいのに
きっとはやるわよ

妖精:
えへっ
はやるかしら
でも
それは出来ないのよね
人間界で
金儲けしたら
いけない事になっているの
残念よね
ずーと大昔に
商売をして
除名になった
妖精がいたわ
破門されると
魔法も使えないし
それは惨めなものよ
だってただの人間になってしまうから
病気はするは
老化はするし
寿命があるは
私は
妖精の任務を
忠実に執行するだけね

莉子:
ところで
私を綺麗にするって
どんな風にするの

妖精:
まあそれは
あとでね

莉子は妖精のことを
色々と聞いてみましたが
肝心のことになると
妖精は話しませんでした。

それからテレビを見て
お風呂に入って
ロフトに布団を敷いて
ふたりは休みました。

翌朝天窓からの明かりで
目が覚めました。

隣を見ると
すでにお布団はなく
莉子は
「妖精の話は
みんな夢だったの?」と
一瞬思いましたが
下のキッチンから
音がするのです。
「あっ
やっぱり妖精は現実
どうしよう、、、」
と思いつつ
莉子は洋室に下りました。

莉子:
星子さん
おはようございます。
朝早いんですね。

妖精:
すみません
起こしてしまいましたか。
台所の掃除が気になっていたので
少し早起きしてしまいました。

直ぐに朝食作ります。
しばらく待っててください。

莉子:
すみません。
そんなことしていただいて
すみません。
 
妖精:
とんでも。ありませんわ
私居候ですから
こんなことをしないと罰が当たります。

莉子:
でも何から何までしてもらったら
すみません。

妖精:
本当に罰が当たるんですよ。
神様は私たち妖精の働きを
上から見ていて
あまり働かない妖精に
お仕置きをするんです。

莉子:
えー
どんなお仕置きなんですか。

妖精:
一番の罰は
除名・次は謹慎・戒告・訓告ですね
除名は前にも言ったように
大変なんです。
謹慎は
1年とか
10年とか
100年とか
ながい妖精になると
確か3500年とか
謹慎処分になって
懲罰区域から。出られないんです

莉子:
怖いですね。
どんな仕事も大変なんだ

妖精:
でもね
私 あなたのお手伝いさんのために
ここに来ているんじゃないので

莉子さんを
綺麗にするのが任務なんです。
おいおいに
してもらいますから、、、


莉子;
そうなんですか。
どんな風に私をきれいにしてくださるのですか。


妖精: まず、 立ち振る舞いを 優雅にしていただきます。 それから お料理やお裁縫お習字などの 一般的な技能を磨いてもらいます。 そして 服装も合うようにしてもらいます。 最後に お化粧で 美しくなってもらいます。 莉子: 最後のお化粧だけでいいように思いますが 妖精; それでは 神様の検査を合格しないわ 人間の美しさは 中からにじみ出るものよ 莉子: ということは 私は 中身も美しくないということなの?? ちょっと失礼な話しですよね。 妖精: えっ そうなりますか そうとは言っていませんけど 莉子: そういわなくても そう何じゃないの 妖精: そうかな そううじゃないけど あっ 莉子さん 会社に行く時間じゃありません 早く急がなきゃ 莉子: あ そうだわ その話の続きは 帰ってから 妖精: そんなに急いじゃだめ スリッパそろえて脱がなきゃ あー 家の中で走らない! ドアは静かに閉めなきゃ 妖精にいろんなことを指摘されながら 莉子は会社に出かけていってしまいました。 妖精は後片付けをして どのように今後したらいいか 考えました。
莉子が会社から
買い物をして
帰ってきました。

莉子は
ドアをそーと開けて
部屋の中を見回しました。

莉子には
まだ妖精が住み込んでいることが
夢の中の話ではないかと
思っていたのです。

莉子は
玄関に
スリッパが
ちゃんとそろえてあるし
靴は散らかっていないし

横の靴入れの上も
整理されているので
やっぱり妖精は
居るのだと
思いました。

莉子は
「ただいま」
と声を出しました。

部屋の向こうから
妖精の星子が
やってきました。

妖精:
お帰りなさい
今日は
お疲れですか
今日から綺麗になる
訓練をしましょうね。
まずは
後ろを向いて
靴をそろえましょう。
習慣になったら
なんて事ないんですよ。

莉子:
エー今日からですか
えーと
こんな風に

妖精:
そうじゃないですって

莉子:
靴はちゃんと揃えましたよ。

妖精:
靴が揃っているのはいいのですが、
そうじゃなくて
靴を揃える動作が
優雅ではないと
言っているんです。

莉子:
そろえる動作って

妖精:
まずね
私がやってみるからね

靴を履いて
それから外から入ってきて

莉子:
そこからやるんですか

妖精:
入るところから始まるのよ
本当は
ドアの
ずーと前から始まっているんだけど
あまりたくさんのことを言うと
混乱するから
今日はここからね

上がり框の
少し前で
足を揃えるの
それから
腰を落として
手を添えて
靴を脱ぐの

上に上がると
腰を落として
靴のここを持って
反対向けに
置くのよ

置くところは
邪魔にならないなるべく端に
置くのよ。

もし靴でいっぱいなら
横を向けて
壁際の少し遠くに置くの

今日は誰も置いていないから
ここね。

莉子さんやって見て

莉子:
入ってくるところから
するんですか
まず入ってきて
框の前で足を揃えて
腰を落として
手を添えて靴を脱ぐ
上がって
後ろを振り向いて
また腰を下ろして
靴を
端のここに揃えるのですね。

どっこいしょっと

妖精:
どっこいしょ
は、だめです。
NGですよ

莉子:
どっこいしょは
だめなんですね。

わーむつかしいし
星子さん
お姑さん
小姑みたい
それって
従わないとどうなるのですか。
私にお仕置きがあるとか

妖精:
莉子さんには
お仕置きなんかありませんけど
そんな状態がずーと続くと
私が
訓告・戒告処分になってしまうのです。


莉子:
訓告戒告処分とはどんなものなの

妖精:
訓告はね
神様から通知が来るの
がんばってするようにと
それでも
そんな状態が続くと
戒告処分になるの

神様から呼び出しがあって
直接
がんばるようにと
お言葉を受けるの

それでもうまくいかないときは
先輩の妖精の指導を受けて
するんだけど
それでもだめな場合は
謹慎処分なんです。
謹慎処分になると

莉子:
分かりました
分かりました。
私が素直にすればいいんですよね

妖精:
ありがとうございます。
私が妖精として
やっていけるのは
莉子さんのおかげです。
ありがたいことです。
がんばってみますので
よろしくお願いします。

莉子:
こちらこそよろしくお願いします。
ありがたいと思っていますけど
ちょっと聞いただけですから

妖精に
いろんなことを
指図される莉子でした。

やっとのことで
自分の家に
上がった莉子は
食卓の上を見ました。

から揚げと
野菜サラダ
煮豆とお汁が並べられていました。

莉子:
わーおいしそう
食べてもいい?

妖精:
食べる前に話しがあります。

莉子:
おあずけなの
食べてからでいいでしょう。
エーとなんだったかな
そうだ

「天にいるかも
神よ
今日のから揚げを
私に
与えてくれて
ありがとう。
明日も与えてほしいよ。
あすは、肉料理がいいな」

これでいいかな

妖精:
あっ
そんな言葉に代えている
今日は晩御飯抜き

莉子:
冗談よ
ーー早口でーー
「天にましますわれらの神よ
今日の糧を
私たちに
お与えくださいまして
ありがとうございます。
明日もよき日なりますように
神様の祝福があらんことを」

妖精:
心がこもっていないわ
やっぱりご飯抜きかな

莉子:
すみません
ーーゆっくりと心をこめてーー
「天にましますわれらの神よ
今日の糧を
私たちに
お与えくださいまして
ありがとうございます。
明日もよき日なりますように
神様の祝福があらんことを」


妖精:
はいはい


莉子:
二度返事はよろしくありませんじゃないですか。

妖精:
あらっ
そうですね
ごめんなさい。
じゃ
頂きましょう。

莉子:
頂きます。

ふたりは愉快に話しながら
食べ始めました。

妖精の作った料理は
本当においしくて
莉子は
大満足です。
莉子は
揚げ物は
苦手だったので
家では作らなかったので
妖精に作り方を
教えてもらいました。

今度の日曜日に
妖精が料理を教えるということで
話がまとまりました。


莉子:
ところでこの食材
どうしたの
冷蔵庫には
なかったでしょう

妖精:
そりゃ
スーパーで買ってきたの
レシートはこれよ
後でまとめて請求するから

莉子:
あっ
おいしいと思ったら
高いんじゃないの
エンゲル係数
高くなりそう。

妖精:
私が食材は半分出すから
大丈夫よ
経理のほうに
許可を取ってありますので

莉子:
妖精の世界も
経理とかあるの

妖精:
そりゃありますよ
締め切りまでに
領収書を出しておかないと
怒られるんですよ

莉子:
それって
訓告とか戒告とか

妖精:
そんなところまでは
いきませんよ。
そんなことで
戒告をとられたら
妖精も大変です。

莉子:
そうなの
私会社では
領収書を出してもらうほうだけど
出すのは大変みたいね

そんな取り留めのない話に
終始して
寝るので
ロフトに莉子は上りました。

莉子:
わーロフトが
片付いているじゃないの

今までのものは
どうしたの
私の本とか
ぬいぐるみとか

妖精:
それは
本は下の棚に
ぬいぐるみは
押入れの中よ
要るときはそこからとってきてね。
ぬいぐるみは
いらないんじゃないの


莉子:
えー
あのぬいぐるみの熊には
思い入れがあるの
あれはね
子供の時に
近所の
お姉さんから頂いたの
あれがあると
幸運がやってくると
言ってもらったのよ。

妖精:
だから私が来たじゃないの
私は
幸運をもたらす妖精よ

莉子:
えっ
そうなの

妖精:
だからぬいぐるみは
もういらないと思うよ
それから明日は
妖精の研修会で
朝から出かけるから
朝食は作っておくね
ちゃんと食べて出かけるのよ
ひとりの時も
ちゃんと言ってから
たべるのよ!

莉子:
星子さんは
まるでお母さんみたいね

ふたりは談笑しながら
眠りにつきました。

翌日莉子が
目がさめると
食卓には
ハムエッグ
それと
ヨーグルトとサラダ
が食卓に載っていました。

置手紙があって
「食べた後は
ちゃんと洗って
食器棚にしまっておくのよ。

それから
今日はごみの日だから
だして置くように

会社に遅れないように」
と書いてありました。

莉子は
星子がまるで
母親みたいなので
笑ってしまいました。


星子が
その日行った所は
研修会ではなくて
妖精の上司に
莉子のことを報告に行ったのです。

星子は
「莉子が
従順で聡明な人間だから
私の任務は
短期間で済むかもしれない」と
報告しました。

上司は
「綺麗になるより
もっと他のことを叶えてあげるほうが
いいのかもしれない。
より良い方法を
考えるように」と
訓示を受けました。

具体的な方法は
星子が決めなければなりません。

久しぶりに会った
先輩や同僚の
妖精と
そのことについて
話し合いましたが
それはやっぱり
「結婚じゃない」という
結論になりました。

星子も
多くの人間の
仲を取り持っていたので
「じゃ
そんな風にしてみましょう」
と考えて
人間世界に戻ってきました。


莉子が会社から帰る前に
家に着きました。

食卓や
流し周りが
綺麗になっているので
ひとまず安心しました。

「莉子もできるじゃないの
これなら大丈夫かも」
と独り言を言いながら
夕食を作り始めました。





莉子は
きょうは
星子がいないので
早く帰って
夕食でも作ろうと
スーパーで
お肉を買って帰りました。

お部屋に着くと
星子が帰っているので
「星子さん
ただいま」
といいながら
後ろ振り向いて
靴を揃えてから
上がってきました。

莉子:
星子さん今日は
遅くなるんじゃなかったんですか。
夕食の用意を買って来ましたの

星子:
ありがとう
あまりながくなかったの
早く終わったので
帰ってきました。

莉子:
私も手伝います。

そんな話をしながら
ふたりは仲良く

野菜炒めと
焼肉の料理を作りました。


食卓に
料理を並べて
例のお祈りをした後
ゆっくりと食べ始めました。

妖精:
ばっかり食べはだめよ
綺麗に食べなきゃ

お肉を少し切って食べるでしょう。
それからご飯
よくかんで食べるのよ
そのほうが優雅に見えるから、、
ガツガツしたらだめよ

莉子:
また だめだし なの
ハイ分かりました。

ばっかり食べはやめて
ゆっくりと優雅にね


妖精:
そうなのよ
ところで
莉子さん
好きな人いるの

莉子:
藪から棒になんていうことを聞くの
咽ぶじゃないですか。

妖精;
ごめんごめん
若い莉子さんだから
人間の若い女性は
結婚に憧れるんでしょう

莉子:
唐突ね
今は好きな人はいないの

妖精:
いつから

莉子:
大学出た時だから
大分たつは

妖精:
えー
でも好きな人は居るんでしょう。

莉子:
いないわ
どうせ好きになっても
願いが叶わないわ

妖精:
そんなことないでしょう
莉子さんは魅力的よ

莉子:
ありがとう
お世辞でもありがたいわ



莉子が寝た後
妖精は
莉子に誰かいい人を
めぐり合わせたらいいのだと思いました。

それもドラマティックに
合わせたら
きっとふたりは
幸せになるのだと思ったのです。

それで
「巡り合わせ助成機構」に問い合わすことになりました。
この組織は
最近妖精界に出来上がった組織で
不幸せな男女の巡り会わせを助成して
妖精の仕事を
楽にするものでした。

なかなか好評で
毎年登録数は
増加していて
マッチングが極めて短時間でできるようになっていました。

妖精は
例によって
杖をさっと振って
問い合わすと
宙から
ぱらっと
紙が舞い降りて来ました。

その紙には
一人だけ男の名前が書かれていました。

妖精は
「よっしゃ
この人で決まりだわ
これで私の仕事も
終わりになるかも

がんばっていい方法を考えなければ」
と考えたのです。

でも最初の出会いが
思い浮かびません。

出会いがしらに
ぶつかって
知り合うなんて
平凡だし
そうかといって
火事にでもなって
それを助けに行く男と
助けられる女
というタイプでもないようだし
どんな方法がいいか
妖精は
ずーと悩むことになります。

それで
妖精の図書館に行って
何か良いものは無いか
探してみることにしました。

莉子には
研修だといって
図書館に行きました。

図書館は
妖精で
にぎわっていました。

「めぐり合わす方法」なる本を
開架図書の棚から取り出してきて
読み始めました。

その本は
最近書かれた本で
人間界の
状況にあっていました。

インターネットを使った出会いなどが書かれていましたが
莉子は
インターネットをしないので
これはだめかと思いまいした。