莉子が会社から
買い物をして
帰ってきました。
莉子は
ドアをそーと開けて
部屋の中を見回しました。
莉子には
まだ妖精が住み込んでいることが
夢の中の話ではないかと
思っていたのです。
莉子は
玄関に
スリッパが
ちゃんとそろえてあるし
靴は散らかっていないし
横の靴入れの上も
整理されているので
やっぱり妖精は
居るのだと
思いました。
莉子は
「ただいま」
と声を出しました。
部屋の向こうから
妖精の星子が
やってきました。
妖精:
お帰りなさい
今日は
お疲れですか
今日から綺麗になる
訓練をしましょうね。
まずは
後ろを向いて
靴をそろえましょう。
習慣になったら
なんて事ないんですよ。
莉子:
エー今日からですか
えーと
こんな風に
妖精:
そうじゃないですって
莉子:
靴はちゃんと揃えましたよ。
妖精:
靴が揃っているのはいいのですが、
そうじゃなくて
靴を揃える動作が
優雅ではないと
言っているんです。
莉子:
そろえる動作って
妖精:
まずね
私がやってみるからね
靴を履いて
それから外から入ってきて
莉子:
そこからやるんですか
妖精:
入るところから始まるのよ
本当は
ドアの
ずーと前から始まっているんだけど
あまりたくさんのことを言うと
混乱するから
今日はここからね
上がり框の
少し前で
足を揃えるの
それから
腰を落として
手を添えて
靴を脱ぐの
上に上がると
腰を落として
靴のここを持って
反対向けに
置くのよ
置くところは
邪魔にならないなるべく端に
置くのよ。
もし靴でいっぱいなら
横を向けて
壁際の少し遠くに置くの
今日は誰も置いていないから
ここね。
莉子さんやって見て