ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

アスカル帰還せよ その27

アクシデントは
かなり深刻で
ふたつです。

ひとつは
有機物/水再生装置が
故障したものです。

もう一つは
エネルギーのパラドックスです。

ひとつ目の
有機物/水再生装置は
予定量より
再生量の方が
著しく少なくて
少し変なのです。

自己診断の
マイコンが入っていますが
測定不能と出るのです。

このまま機械が不調になれば
火星探査はもとより
我々の生命も
維持できなくなります。

警告が出てから
コンピューターで
測定しましたが
結果が出ません。

地球の管制センターでも
原因がつかめません。

私は
思い切って
装置を分解することを提案しました。

管制センターでは
装置は分解不可となっていて
分解すると
組み立てられなくなるのではと
思っていました。

しかしこれ以上
装置の能力が落ちると
困った事になるので
私は
管制センターの
命令に反して
分解する事にしました。

私の手は
普通は
犬の手ですので
うまく細かいものが扱えません。

通常は
マジックハンドのような
ものを付けて
探査機の日常業務を
こなしていましたが
分解となると
もっと細かい事ができて
力も入れられる
ものに変える事にしました。

それは
パワーユニットと呼ばれ
小型ながら
力があって
脳波によって操縦する事ができるのです。

無重力状態なので
かなり重いものでしたが
難なく体に付けて
パワーユニットを使って
分解する事にしました。