佳代子は 悩みました。 何日も 悩んだのです。 ちょうど春休みで 家にいたので 漫画を描きながら 考えてみました。 でもこの 二者択一は 佳代子にとっては 酷です。 どんなに考えても 選べません。 夢をあきらめずに 漫画をとるか 実現可能な 射撃をとるか どちらも 捨てられません。 佳代子は スポーツ選手が 「夢をあきらめなければ きっと叶う」という 言葉を 信じたいのですが でも 現実は そうではないのではないかと 疑い始めていたのです。 佳代子自身 19歳まで 夢をあきらめませんでした。 でも そのめどさえつきません。 このまま諦めなくても 漫画家になる環境にならないだろうし 射撃を止めたからと言っても 漫画を書ける様にはならないとおもったのです。 だったら 漫画を諦め 射撃に賭けてはどうかという事になりますが 射撃は 嫌いではありませんが 神経を張り詰めて 競技しなければならないので 佳代子は 好きではありません。 直人や 友達や 学校が 佳代子に 「がんばれ」というので 仕方なくやっているというのが 実情です。 そんな事を 漫画を描きながら 思っていました。