冴子は もっと早く この人と出会っていたら 良かったのにと 思いながら 神戸に近づいていく 電車の外を見ました。 3年も経つと ブルーシートで覆われている 家は 皆無と言っていいほどになっていました。 空き地と 新しい家を建てる 風景が 続いていました。 ルミナルエが 点灯する時を 寒い 路上で 待ちました。 前の二回は 全く 気が付かなかったのですが 路上で 点灯を待つ人たちは カップルでした。 「やっぱり こんなものは ロマンティックに カップルでないと 見に来ないものね。 寒い こんな冬に 来るのは やっぱり カップルだわ」と 思いました。 そして 点灯して 一瞬 歓声が上がりました。 やはり 1回目とは 歓声の質が 違うと思いました。 園田の駅から づーっと 手を繋いでいた 川上さんを みて 「私たちも カップルですよね」と 言ってしまいました。 川上さんも 少し照れながら 「カップルです」と 答えました。 光のアーケードを 通り抜けて 予約してあった 元町の ジャズ喫茶に入りました。