ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

昭和30年代初めの頃 小話その5

今日は
トイレの話ですので
お食事の方は
ご遠慮下さい。



私の
家の
便所は
家から離れた
庭の向こう
門のそばにありました。

畳1畳敷きほどの広さです。

右側が
小便所
正面に
「こえたんご」があります。

こえたんごは
肥担桶(こえたご と読みますが
なまって
こえたんご となります)
と書きます。

その漢字の通り
木の桶で
その2カ所に
穴があいており縄がかかっています。

その縄を
天秤棒にかけて
運びます。

それが
担桶です。

糞尿を入れて
運びますので
糞尿は
肥料ですので
肥担桶
と言います。)

小便所の左側には
小さな木の扉があって
奥に
大便所があります。

扉を開けて
大便所に入ると
左に
窓があります。

即ち
庭の方向
西向きです。

窓と言っても
土壁の一部を
小舞を残して
塗っていない部分です。

(小舞とは
土壁の
芯と成る
竹で作った
下地です。
竹小舞ともいいます)

大便所は
今で言えば
和式の
便器です。

といっても
陶器の便器ではなく
木で出来た
「きんかくし」があるだけです。

その便所を
もっと説明すれば
床は
木の荒板が
無造作に縦に並んでいて
その一部を
切り取って
穴を開けたところが
用をたすところです。

穴の
左側に
木が立っていて
それがきんかくしと言われる部分です。

壁は
荒壁だけで
土塗り壁の
下地だけを塗ったものです。

天井はなく
母屋を渡した上に
垂木が打ち付けられ
その上に
荒板が並べられて
葺き土を置き
瓦葺きとなっていました。

床下には
素堀の
穴があいており
そこに
糞尿を蓄える仕組みになっています。

西側の
庭に面したところに
くみ取り口があります。

また
大便所には
小さな木の箱が置いてあり
その中に
新聞紙が
切って置いてありました。

新聞を
4回切って
16分の1の大きさにしたものです。

少し長くなったので
明日に続きます。