ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「笑顔のアイコンタクトに魅せられて」その56

薫子の子供の時からの
夢が
お嫁さんになることでしたが
薫子は
近頃何か自分でもわからない
不安がありました。

なんだかわかりません。

仕事している時とか
勉強している時
家事をしている時などは
感じないのですが
ひとりでお風呂に入っている時には
感じてしまいます。

その
疑問が
解けるのは
何気なく
パソコンを見ていた時です。

メールの
受信箱と
送信済箱を
見ていた時の事でした。

メールのやりとりは
陽一君としか
しませんので
陽一君から来たメールと
陽一君に送ったメールが
あるだけなんです。

陽一君から来たメールは
「薫子さんに会えなくて
淋しい」
「薫子さんに早く会いたい」
「薫子さんが好きだ」
「生まれた時から
薫子さんを愛しているような気がする」
のような
文章が入っているのです。

薫子が
赤面するもっと
過激な文章もありました。

高校の時は
無口だったし
再会した時から
陽気になったけど
こんなことは
言わなかったのに
と思いました。

それに対して
薫子の送ったメールは
いつも
定型です。

まず
「お元気ですか」
で始まり
陽一のメールを受けて
陽一の身辺伺い
それから
薫子が今していること
そして
「お体お大事に」で
終わります。

陽一君が好きだとか
愛しているとか言うような
文章は
薫子は
書いたことがありません。

これに気が付いて
薫子は
「私は
陽一君と結婚することになっているけど
陽一君が好きでないのではないか」と
思いました。

好きでない人と
結婚するなんて
陽一君にも
悪いことだと
思いました。

このことに気が付いてから
メールを
送ることを
しばらく止めていました。

陽一君には
「風邪でメールができません」とだけ
送っておきました。

そして
小学校の恩師に
相談することにしました。