今日は少し長目です。
薫子: 美奈子さん 忙しい中 そんなことを 言うために来られたんではないでしょう。 美奈子: 薫子さんには お見通しよね 世間をよく知っているものね 薫子: 心配事ですか 美奈子: 結婚についてなんです。 薫子: 美奈子さん 結婚されるのですか。 おめでとうございます。 美奈子: めでたくないから 相談に来たの 困った時だけ 相談に来て ごめんね こんなこと相談できるのは 薫子さんだけなの 薫子: そんなに信頼していただいて ありがとうございます。 結婚がどうかしたんですか。 美奈子: 私政略結婚させられそうなの 薫子: いつの時代なの 政略結婚って 美奈子: 私の 父がね バブルのときに 京都の山奥に ゴルフ場にしようとして 土地を買ったのよ それがね 金利がかさんで 会社が 危ないの そこで 亀岡の病院の 支援を受けようとしたら そこの 息子の嫁にと 私を 指名してきたの どうすればいいかしら 薫子: 相手の人次第じゃないですか。 良い人だったら 政略結婚でも いいと思いますよ。 美奈子: それがね 私にはよくわからないのよ。 ものすごく悪い人じゃないように思うけど ものすごく良い人でもないように思うの 私って 外科だけを勉強していたから 人間なんか よくわからないの 薫子: 私だって わかりません。 良い人に出会うのは 運ですから あとで 運が良かったかがわかるのです。 それに 根っから悪い人はいませんので 良い人に すればいいんじゃないのですか。 接し方で きっと 良い人に なると思いますよ 美奈子: 薫子さんは 超能力と考えられるくらいの 大きな力を持っているから そんな風に 人を変えられると 思うのよ。 普通は 絶対に 人を変えることなど 無理だわ すくなくとも 私には 無理だわ 薫子: そんな事ないですよ 美奈子さんは 私より 賢くて 美人で 若々しいんだから 努力は要りますが きっと 大丈夫ですよ。 美奈子: そうかな 一回 相手の人に会って下さらない。 あなたが見れば 私の力で可能か 不可能かが わかると思うの 薫子: そんな力は ないと思いますけど 会ってみましょうか。 美奈子さんの話は 深刻だと思いました。 と言う訳で 都合の良い日 3人で いや夏子も入れて 四人で会うことにしました。