薫子:
うちの子供が
「お父さんが欲しい」というようなことを
言うのですが
先生:
それは
子供としては
当然の
ことよ
薫子:
私もそう思います
私は
夏子のために
結婚した方が良いのでしょうか。
先生:
それは違うと思います。
子供が
父親を欲しがるのは
当然だけど
父親は
本当の父親でなくてはなりません。
薫子:
それは
陽一君だけという意味ですか。
それなら不可能です。
先生:
もちろん
陽一君は
第一の候補です。
本当の父親は
陽一君だけではありません。
薫子:
それはどういうことですか。
先生:
薫子さん
わかっていらっしゃるんでしょう。
それは
暖かい家族を作ることが出来る
父親と言うことです。
薫子さんが
本当に愛せるひとで
薫子さんと
夏子ちゃんを
本当に愛せるひとなら
その人は
本当の父親に
なれるんじゃないですか。
薫子:
そんな人が
現れるでしょうか。
私が愛せるひとは
陽一君以外には
ないと思います。
先生:
今はそうかもしれませんが
時間が経てば
現れるかも知れませんよ
薫子さんのことですから
薫子さんのことを
好きになっているひとが
もういるかも知れませんよ。
薫子:
私のような
子連れのようなものを
好きになる人なんかいないと
思います。
先生:
薫子さんは
あなたの笑顔が
どんな力を
持っているか
知らないわけないでしょう。
あなたの笑顔に
魅了されない方は
相当
心がひねくれているとしか
思えませんよ。
薫子:
そんな~