ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その77

秋のお月見の時に
飾るあのススキを
刈り取ります。

1軒の家の屋根を
葺くのに要する
ススキの量は
半端ではありません。

人手も要りますので
村の助け合いで
葺きます。

一年に
何軒も吹き替えできませんので
前もって決まっていました。

宮水運びをしたくても
茅葺きの
手伝いに
動員されてしまうのです。

地主さんの家は
瓦葺きで
茅葺きでないの
その面からも
地主は良いと
亀太郎は思っていたのです。

壁についても
ただで手に入る
材料を使います。

竹藪で
竹を取ってきて
壁に
格子状に
組みます。

藁縄で
いわえて
頑強に作ります。

田んぼの土で
特に細かいものを
水で練って
藁を入れて
塗り込みます。

裏からも
同じよう塗って
下塗り完了です。

地主さんの家なら
この上に
細かい砂を混ぜた
中塗りをしたあと
漆喰を塗って
出来上がりですが
お金のない
小作人らは
粗塗りという
これだけで終わりになります。