ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「スポンジケーキをつくりたい」その10

正子は
機械の泡立て器を
圧力タンクの中に入れて
加圧して
攪拌してから
減圧して
蓋を開けたら
きっと
泡立つものなら
泡が大きくなって
出来上がると
考えました。

これを
実証するためには
圧力タンクが必要です。

攪拌機を
入れる余裕がなくては
いけないので
圧力鍋くらいの大きさでは
役に立たないとも考えました。

やはり
正子だけの力では
この実験はできないと
思いました。

そこで
社長が参加する
開発会議に
企画書を
提案しました。

開発会議の議題は
新しい研究の提案など
全くといって程なく
食品の製造の
最適化が
議題に上ることが
多かったのです。


正子の提案に
会議では
松井も
びっくりしていました。

社長も
驚いていました。

正子より
後に入社した
研究員は
圧力タンクのなかに
攪拌機を入れたら
故障するのではないかと
質問されました。

正子は
モーターは
もともと
圧力に強く
コンデンサーを
外に置けば
問題ないと
答えました。

それに
攪拌機そのものは
それ程高価のものでもないので
潰れたら
潰れたときのことにしたら
良いと答えました。

醤油とラー油の
大発明以来
大きな
発明はなかったので
社長も
かけてみることにしました。

正子の勤めている
会社は
食品会社ですので
圧力タンクの製造は
もちろん外注になります。

雑務の担当の
正子が
外注先を捜すことになります。

取引のある
会社には
圧力タンクを作ってくれる
会社はありませんでした。

そこで
町の工場を
尋ねて
依頼することにしました。

鉄工所では
図面があれば
製作するが
図面がないと
作ることはできないと
言われてしまいました。

図面も書ける
鉄工所は
なかなか見つかりません。