ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「順子」その9

犬のような
微妙な臭いが
わかるのが
自分だけだと気が付いた順子は
見え方も
私だけではないかと
思い始めました。

幼かった小さい時から
ジッと
見ていると
透けて見えるのです。

夏なんか
薄着になる季節なんかは
じっと見なくても
体が見えてしまうのです。

あまり見ないようにしていました。

視力検査に至っては
一番下の小さい字が
はっきり見えるし
遠くの人の
表情も
見えていました。

きっと
こんなに見えるのは
自分だけだと
順子は
思いました。


そんなある日
学校から帰って
宿題を
すまして
弟と
お祖母さんの部屋に行くと
例の
臭いが
部屋にしました。

クンクンと
順子は
臭いの方向を
捜すと
お祖母さんの方から
匂うのです。

病気のサインと
順子は
思いました。

お祖母さんに
体のことを
聞きましたが
特に
自覚症状は
ないと言います。

順子は
お祖母さんを
ジッと
全身を
見ました。

体の中が
順番に見えてきました。

学校の図鑑で
体のことを
勉強していたので
よくわかりました。

じっと見ていると
お腹のあたりに
何か
塊のようなものが
見えました。

お祖母さんに近づいて
お腹のあたりを
しげしげと
見ました。

お祖母さんは
不思議そうに
順子を見ていました。

順子は
手で
お祖母さんの
お腹を
少し押しました。

上から見ていて
異物のあるところです。

それ程押さなかったのですが
お祖母さんは
相当痛そうに
悲鳴を上げました。

順子は
「ごめん
ごめん」といって
誤りました。

お祖母さんに
臭いがあることを
言って
早く
病院に
行く様に
勧めたのです。

その気迫で
お祖母さんは
翌日
病院に行くことになりました。