廊下の観測場所は 終始 和やかです。 順子は 長い時間 交差点を 観察して ある確信を持ちました。 心の声を 聞けば 信号を守るか否かは すぐにわかるのですが そんなことをしなくても わかる方法が ありました。 次の瞬間 順子は 交差点で待つ 人や車が 守るか守らないか 交差点に来たときに 仲間に 言いました。 当たりました。 最初は 偶然かと 他の者は思ったのですが 当たり続けると 偶然ではないと みんなは思い始めました。 1時間もたつと 羨望の目で みられるように なりました。 どのように見分けているのか 聞いてきました。 順子は 「それは長くなるので 明日 レポートを出します」といって 学校を帰ることになりました。 みんなは 顔を見合わせて 見送りました。 翌日 順子は 鉛筆で書いた A4リポート用紙 3枚を みんなに見せて 説明しました。 みんなは わかったような わからぬような 顔でした。 その リポートは 先生にも回され それから 先生の 知り合いを通じて 大学の先生も 回されました。 リポートを 検証するために その後 たくさんの学識者が 学校にやってきました。 学校では 交差点が一番良く見える 3階の会議室を 同好会の 部室にして その対応をしました。 テレビにも紹介され 同好会は 日本で一番有名な クラブになってしまったのです。 順子は そんな有名になってしまった クラブには 顔を出さなくなりました。