ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「突然30年前に戻った順子の場合」その64

順子は50歳を過ぎても若々しくて可愛いのですが
夫以外の人を好きになってしまいました。

野村とは
殆ど会話がなくなった頃
子供も自分の世界で
暮らし始めて
子供とも
会話が少なくなってしまっていました。

家では
無口になった
順子ですが
その分
職場では
客や
同僚と
会話を楽しんでいました。

そんな風に
時間が過ぎて
ある秋の
夕暮れの出来事です。

順子は
子供の関係で
早出番で
3時に仕事が終わります。

ゆっくりと
家に帰り始めた
順子に
声を掛けた
男性がいました。

「じゅんこさん」と
呼ぶのです。

順子は
「よりこ」と
読むのですが
「じゅんこ」と
呼ばれることも
ありますので
何となく
振り返りました。

振り返って見ると
そこに
海老沢君が
見えました。

駅以外の場所で会うのは
初めてです。

前の世界でも
ありませんでした。

売店にいるときは
売店の床がすこし高いので
海老沢君とは
目線が
同じ高さになっていました。

外で初めて会うと
背が高くて
なかなかの
好青年でした。

思わず
「惚れ直し」ました。

そんな胸の中を
察しされないように
「海老沢君じゃないですか」と
応えました。