ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「突然30年前に戻った順子の場合」その71

「紹介する」と
言ってしまったことを
後悔した表情でしたが
海老沢君は
それを
読みとらず
「お願いします」と
答えました。

話は
それだけで
すこしの沈黙の後
「売店にまた行きます」と
言って
別れていきました。

どれだけの時間が
流れたのか
わからず
家に戻りました。

誰も戻っていませんでした。

何も考えられなかったので
夕ご飯の支度を
始めました。

時間が経って
秋のつるべ落としで
日が落ちて
暗くなった頃
長女が
職場から
戻ってきました。

少し話をした後
順子は
「彼氏いるの

付き合っているの」と
尋ねました。

自分でも
唐突だと思いました。

でも
娘は
サラッと
「いないよ
彼氏は今はいないよ

誰か紹介して」と
おもいもかけない
返事です。

その返事を聞いて
すぐさま
順子は
「良い人がいるの

なかなかの
好青年よ

私が
30歳若かったら
結婚していたわ

もちろん
お父さんと出会うまえという前提よ」
と答えました。

「そんないい人なの
楽しみ」といって
その話は
終わりました。