ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「大切な彼女は突然に」その54

処置室が
急に
静かになりました。

母親のところに
年長の女性の
看護師さんらしきものが
やって来て
「残念ながら
ただ今
大場さんの
死亡が確認されました。

こちらにお願いします」と
言って
案内されました。

処置室に入ると
由美子の
体から
いろんな装置が
外されていました。

遠くからでも
由美子とわかりました。

穏やかな
顔で
寝ているようでした。

思わず
涙が
あふれてきました。

泣き崩れるようでした。

看護師が抱きかかえて
外の
イスに座れてくれました。

その時
父親が
走ってきました。

「由美子が
死んでしまった」と
話して
父親と
一緒に
泣いていました。

しばらくして
警察官がやってきて
「こんな時に
何ですが
大場さんの
ご遺体を
検視する必要があります。

お願いします」と
告げてきました。

「はい」と
言ったら
「検視は
少し時間が必要です。

夕方には
ご遺体を
お返しできると思います。

単なる交通事故ではなく
ひき逃げですので
検視が必要なんです」と
言って
手続きの
用紙に
署名をするように
言われました。

肩を落として
病院から
帰ろうとした時
上羽が
血相を変えて
走ってきました。

「由美子さんは

由美子さんは」と
両親に
叫ぶように
近づいてきました。