夏休み前に 多量の試料が 研究室に届きました。 大手の製薬会社からの 判別の依頼です。 みんなで手分けして 顕微鏡の 試料作りになりました。 和己は 一番の早さと 正確さで 作っていきました。 ここは 魔法なら パッパと 作っていけると思ったのですが それは使えないので 実際の 手作りになると 和己に比べると そうと 不器用です。 教授は それを見ていて 「長瀬君なかなかのものだね。 こんどの 研究旅行には 長瀬君も来ないか。 台湾なんだけど」と 言ったのです。 和己は 湖子と 台湾旅行に行けるなんてと 大喜びです。 湖子も 表には出しませんが 相当喜んでいました。 本当は 簡単な旅行ではなく 道なき道を歩いて 生薬を探し回るというもので へとへとになるのですが その時は 喜んでいました。 教授が すぐに 実際を話しても 一緒なら どんなところでも いいと思って 幸せを感じるふたりでした。