ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「ロフトで勉強しましょ」結婚編その57


かたや
十詞子は
大きな声を出したことを
悔やんではいましたが
悟が
私の不機嫌に
何も言わなかったことに
イラダチを感じていました。

「普通に考えると
悟は
十詞子の体のことを
心配して
そんな風に言ってくれているのに
なぜ
自分は
それを受け入れなかったのだろう

でも
でも
なぜあのときに
悟は
そのことを
私に言わなかったのだろう

『あなたのことを
心配して
言っているのだ』と
そのときに
言ってくれていたら
すぐに謝ったのに

私が悪いのに
なぜ
言わないの」と」
堂々巡りの
考えで
ふたりの
冷戦は
翌日の日曜日にも続きました。

結婚式以来
夜は一緒に寝て
抱き合っていたのに
それもなしです。

悟も
十詩子も
充分に良くないと考えているのに
それを言い出せないのです。

本心通りに
行動できないのです。