ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

昭和30年代始めの頃 さくら荘 その4

昭和30年代始めの頃 さくら荘 その4

話は少し脱線しますが
桜の時期も終わり
葉桜になっても
桜はいいですよね。
初夏の桜は、
何か夏と違う色です。

そんな5月の頃
桜の葉っぱを
土手に摘みに来る人がいます。
少し坂の土手に生えている
桜ですから
容易に若葉に手が届きます。
そして
葉っぱのきれい物ばかり
かごに入れている
人がいるのです。
昭和35年頃のお話です。
そのひとは、
40歳くらいの女の人です。

なぜ摘んでいるのか
皆様わかりますか。

クイズにすればいいのですが
それほどのこともないので
答えを言いますと
その女の人は、
地元では、当時有名であった
和菓子屋の奥さんで
桜餅のための
葉っぱを摘みに来ていたのです。

だからといって
摘んだ葉っぱを
いきなり
桜餅に使うことは、
できません。

皆様ご承知のように
桜の葉っぱを
塩漬けにして
翌年までおいておき
翌年塩抜きをして使うのです。
塩漬けにしておくと
桜餅特有の
あの桜の香りが
でるのです。

もっと脱線すると
この香りの成分はクマリンと呼ばれる物で
課税するために軽油に含まれています。
それを硫酸を用いて除いたのが
不正な軽油で
その時できるのが
悪名高き硫酸ピッチです。

またクマリンは、血流をよくする作用があり
それを医薬品として用いる場合もあり
その作用を利用して
殺鼠剤としても使っています。
もちろん濃度は、
桜餅の葉っぱとは、
比較にならない濃度ですが。

桜餅
皆様は、葉っぱも食べますか。
それとも葉っぱは、除いて食べますか。
私は、桜餅自体が食べられません。