ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」 その14

冴子は
会社には満足していました。

検査の仕事も
冴子の検査印を押さないと
製品にならない
重要な仕事と考え
やり甲斐のある仕事だと
思っていました。

冴子の会社は
品質管理運動が盛んで
冴子も
検査方法について
提案して
それが実行され
報奨金をもらったこともあります。

一年経ったとき
冴子の
父親は
京都の子会社の
課長職へと
栄転になります。

冴子の父親は
変圧器の製作一本で
働いてきて
その製作法は
特許にならないまでも
相当利便性が高く
会社に評価され
栄転になったのです。

当時の会社は
専門職を作るのではなく
総合的な力を
作るものでした。

と言うわけで
冴子は
京都から
会社へ通勤するか
会社の近くで
一人暮らしをするか
選ばなければならなくなりました。

父親は
2時間弱かけて
通勤するよう
言いました。

母親も心配して
そう言ったので
冴子は
電車で
会社まで通うことになりました。

3度乗り換えて
通勤は
少し疲れましたが
慣れれば
さほどでもないと
思うようになりました。

通勤に時間を要すようになってから
冴子は
仕事が終わると
すぐに
電車に乗って
帰宅の途についていたので
会社での
飲み会などには
ほとんど出席することはありませんでした。