パソコン教室が終わって 数ヶ月経って 夏になりました。 夏は 事務所は エアコンが ガンガンに効いていて 寒くなっています。 夏なのに 冴子は 厚着で パソコンと 格闘する 日々です。 そんなある日 昼食の時間に 会社の 受付から 電話がありました。 会社の受付は 工場の前にあって 階段を下りて 別棟の 検収所へ行くと パソコン教室に通っていた頃の 幹事さんが 待っていました。 幹事は 偶然 前を通ったから 立ち寄ったと 言っていましたが キャベツ工場は 道路の突き当たりにあって 偶然前を通るところでは ありません。 冴子は びっくりしました。 幹事; 冴子さん お久しぶりです。 修了式に 来られなくて 残念です。 最後の飲み会 盛り上がったのに 残念です。 冴子: そうですか 幹事; また どこか 神戸にでも行きませんか もう高校生では ないけど 冴子: 誘ってくれて 嬉しいんですけど 忙しいので 無理です。 幹事; いつでもいいんです。 冴子: 忙しくて 行けそうにもありません。 冴子は 事務的に 答えました。 幹事は すべてがわかったのか がっかりしながら 肩を落として 帰って行きました。 それを見ながら 冴子は 「これで いいの」と 心の中で つぶやきました。