ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その5

江戸時代末期の
農作業は
人手だけが頼りです。

馬はもちろん牛はいません。

明治時代になって
今で言えばリース制度のようなもが
出来るまでは
小作農では牛はいません。

正月三が日は休みますが
4日からは
仕事です。

農閑期には
ワラ仕事が主です。

お米を作った残りの
ワラで
いろんなものを作ります。

ワラ縄・むしろ(ワラで作った畳のようなもの)
俵(ワラで作った容器)
簑(わらの背中だけの雨具)わらじ
菰(こも酒樽の保護のための袋のようなもの)などを
作っていました。

自家用ものもあるし
菰は造り酒屋に
買い取ってもらっていて
貴重な現金収入でした。

わら細工は
まずワラを
納屋から取り出し
ワラの不要な部分を
手で取りのぞきます。

特に売るようなものは
綺麗に取りのぞかないと
はねられてしまいます。

それから
縄やわらじのような
曲げて
作る物は
ワラ自体を
柔らかくしないと
折れてしまいます。

そこで
ワラを
木の台の上に載せて
木の棒で叩きます。

これが大変な仕事なのです。

冬になると
朝の早くから
コンコンと叩く音が
していました。