ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その24

先々代の清左衛門が
戸主を務めていたころに
日照りが続いて
稲が
ほとんど枯れて
収穫できなかったことがあります。

田植えのあと
稲は少しやすんだあと
根が新しくなって
生気を取り戻します。

その後
気温と
水の管理が合えば
稲は
株はドンドン増えていきます。

ひとつの苗が
何株にも増えるのです。

ひとつの株から
ひとつの穂が出て
お米ができますから
株が増えなければなりません。

水の中に
稲がないと
株が増えません。

もちろん多すぎるのも
いけないことですが
絶対に
水が必要です。

稲作りには
豊かな経験と
運と
一層の努力が
必要です。

亀太郎が
働き始めた翌年は
少し日照りが続きました。

田んぼの枕(水を引き込む田んぼの名称)の
用水路を
せき止めても
水が
田んぼに入ってこなくなりました。

取水する
武庫川の
水も
清左衛門は
見に行きましたが
ほとんど枯れていました。

こんな時には
用水池から
水を引き込むことになります。