その年は 7月に入ってから 雨が降り 水の管理は 容易になりました。 稲の株が増えて みるみる大きくなっていきました。 それと同時に 雑草も 生えてきました。 現在なら 除草剤で パッパですが 手で抜くしかありません。 明治時代後期には 回転中耕除草機と呼ばれる 回転する刃が 田んぼの表面を かき回して 草を抜いていきます。 そんな便利なものが 発明されていない 江戸時代は 手で抜くしかありません。 どの農作業も 同じですが 人海戦術で 手で抜いていきます。 田植え後 はじめて抜く草を 1番草と 呼びます。 稲も 大きくなっていませんので 草も小さいです。 稲より 草の方が よく伸びるのです。 大きい田んぼを 片方から 抜いていくのです。 暑い日 雨が降る日も 抜いて 終わった時 抜きはじめたところには もう 2番草が 生えているのです。