ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その90

鶴松が
生まれた年の年末には
もうひとつ
田んぼを買いました。

清左衛門の家は
清左衛門や
叔父さん
叔母さん
それに
亀太郎夫妻
亀太郎の妹と
弟と
働き手も多く
自作地もできて
小作料を払わない
土地が増えて
豊になっていたのです。

宮水運びの
現金収入が
大きかったのです。


中央の政治が
今津の村にも
影響が出たのは
神仏分離
廃仏毀釈です。

明治政府の
シンボルを
天皇にするため
天皇を神格化しなければなりません。

そのためには
神社と
お寺を
分けなければならなかったのです。

今津では
大きな
廃仏毀釈の運動は
なかったのですが
村の中の
神社と一緒になっていた
お寺を
別々にする必要がありました。

お寺の檀家に
今津の
大きな酒蔵が
ありましたので
敷地と
お寺を
寄進してもらいました。

酒作りは
この時代
最も儲かる
業種だったのです。

そのおこぼれを
宮水運びの
亀太郎が
担っていたのです。