ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「最期の恋愛」その3

お昼を少し過ぎたとき
彼の
抗がん剤
バックがなくなってしまいました。

看護師さんが
針を抜いて終わりました。

すぐには立てなくて
ゆっくりと
荷物を持って
立ち去りました。

横を通りすぎるときに
彼は
彼女に
「お先に」と
言ったので
彼女は
「どうも」と
返しました。

彼女の
点滴パックが
なくなったのは
それから
一時間ほどしてからでした。

体調の変化もなく
彼女は
彼の状態と
自分の状態とのギャップを
不思議に思っていました。

「私って
特別なの」と思ってしまいました。

昼も過ぎていたので
近くで
食事でもと思って
病院を出て
直ぐにあった
こじゃれたレストランに入りました。

案内された席に座ると
どういう偶然か
となりに
彼が食事をしているのです。

はじめは
双方気付かず
彼はゆっくりと食事をして
彼女は待っていたのです。

ウエイトレスが
食事を持って来たとき
彼はなにげに
となりの席を
彼女はウエイトレス越しに
彼を
発見してしまいました。

ふたりは
少しだけ驚いて
同じように
「どうも」と
言ってしまいました、

彼女は
抗がん剤治療の
疑問を
聞きたいと
思っていたので
抗がん剤治療の先輩に
聞いてみることにしました。

まずは
「一緒に食事をして良いですか」と
彼に
言ってみたのです。

唐突な
その言葉に
彼は
黙っていると
彼女は
お皿を持って
向かいの席にかわっていたのです。