ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「最期の恋愛」その4

個人情報とも言える
その質問に
丹念に答えたのは
彼の性格でしょうか。

開発職で
よくプレゼンをして
上司から
なんだかんだと
質問するのに
答えていた習慣からかも知れません。

女性なら
反対に聞き返すところですが
彼は
そんな事をせずに
答えていくだけでした。

彼の話によれば
未婚で
ひとり暮らし
電気会社の
開発職で
相当お給料が
よいことまで
話していきました。

ひとしきり
質問して
答えた後
彼女は
質問したことと
同じことを
話しました。

「夫が
10年前に癌で亡くなって
ガンを
いつも恐れていて
ガン検診を
受けていたのに
早期発見できなくて
残念でなりませんでした。

ガンのために
仕事が
100パーセントできず
部長に
慣れなかった。

早期発見さえしていれば
抗がん剤治療も受ける必要もないし
会社でも
バリバリ仕事ができたのに

子供もいないので
働くくらいしか
やることがないのに」
と話しました。

彼は
彼女が
相当キャリアウーマンだと
思いました。

やり手の
営業マン
いや
営業ウーマンだと
あらためて
思いました。

こんな話しを
食べながら
していました。

彼は
食べはじめは
早かったので
すぐに終わって
水ばかり飲んでいました。

抗がん剤治療の
副作用か
それとも習慣になっていたのか
水を飲んでいたのです。

話が終わると
彼女は
「友達になりませんか」と
またもや
唐突に言いました。