ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「最期の恋愛」その9

看護師さんの中には
若くて美人の人もいますが
だからといって
彼が
好きになる様なことはありません。

話すことといったら
病気のことだけで
他のことは話しません。

でも
彼女とは
向こうから
話してくるのです。

話題も豊富で
世間の事も
よく知っているし
「馬が合う」というのか
話していて
楽しくなるのです。

そんな彼女を
彼は
好きになってきていたのです。

でも
面と向かって
そのことを
言えるほど
彼ではありません。

だから
彼は
次の
抗がん剤治療の日が
楽しみになってしまいました。

何となく
ウキウキと仕事をしていることに
上司や同僚は
病状が
よくなってきたのかと
思っていました。

待ちに待った
病院に行って
辺りを見回しましたが
彼女の姿は
見あたりませんでした。

治療がすんで
病院の食堂にも行きましたが
彼女は
いませんでした。

何となく
せーのない
状況になってしまいました。

肩を落として
帰り始めました。