ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「後半戦はこんな作戦で」Tシャツ編その6

今週のお題「お気に入りのTシャツ」

理子はすぐに返しました。

今度はどこに行こうかと
お互いに相談しました。

コロナ対策で
密なところは行けないし
近所では面白みもないし
などと楽しく話しました。

リストラのことは
その時に話すとして
Tシャツのことは
話してみました。

理子;

Tシャツあったのよ

純一;

残していたとは
ありがたいことです。

理子;

文字が書いてあるんだけど

純一;

純情ですよね。

理子;

なぜ知っているの

純一;

それは、
中学生の時は
理子さんのファンだったからかな

理子;

ファンだったんですか

それじゃ私アイドルだったんですか

純一;

私にとってはアイドル以上です。

純情という文字を見て
私はドキッとしたんです。

私の名前の一字純を使っていて
純情は
純一の情けという意味だと
勝手に解釈して
喜んでしまったの

理子;

そうなの

そんな意味ではないのに

純一;

知っているよ
書道展の課題でしょう

理子;

なぜ知っているの
私でもなかなか思い出せなかったのに

純一;

みんなに言っていたんじゃないですか

僕は聞いていて
残念と思ったくらいです。

そんなわけないのにね

と話は盛り上がりました。

理子は自分も忘れていたのに
覚えていたなんて
驚きです。

翌日会社に出社すると
会社の制服が用意されていました。

夏服で
紺色のタイトスカート
薄いピンクのシャツに
オレンジ色のスカーフです。

よくある女性の制服です。

制服は
総務課だけ支給されます。

それには訳があって
お得意様の来社の時に
コーヒー等を出すためのものだったのです。

会社専用の
スマホがまだ支給されていないので
真心(まこ)の支給スマホ
コーヒーを出す会議室と
人数が表示されました。

急ぎ給湯室に行って
ふたりは
コーヒーを用意しました。

会議室に持っていくと
ビジネススーツを着た
男性が10人座っていました。

理子が
来客の上座から
コーヒーを出していくと
末席に
純一が座っていました。

目があってお互いに
驚いた様子でした。