ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「もしものマリヤ」ふりかけ編

今週のお題「ごはんのお供」

マリヤは
高校の時に
好きな人がいました。

 

もちろん
片思いです。

 

好きだったけど
もしもと考えて
言えなかったのです。

 

そんなマリヤは
高校へは
お弁当を持っていっていました。

 

優しい母親は
愛情たっぷりの
お弁当を
マリヤのために
いつも作っていたのです。

 

ある日
嵐が来て
いつもの
スーパーマーケットの品ぞろえが悪くて
おかずがそろわなかったのです。

 

そこで
マリヤが
一番好きな
ふりかけを
お弁当に入れました。

 

ご飯の上に
かけると
湿って美味しくなくなるので
袋のまま
入れておいたのです。

 

マリヤは
今日は
一番好きな
いつものふりかけが
付いているので
嬉しくなりました。

 

お弁当を
開いて
ご飯の上の
そのふりかけを
かけようとしたときに
隣の席の
お調子者の
男の子が

「マリヤのふりかけ」と言って
空のふりかけの袋を
手でつかんで
みんなに見せたのです。

 

お調子者の男の子は
その袋に書いてある
文字を読みました。

 

「『たまりやのふりかける醤油』だって
たまりやって
マリヤとたまりや
深い関係かな」と
はやし立てたのです。

 

みんなは
大爆笑です。

 

マリヤは
自分でもわかるほど
真っ赤になってしまいました。

 

それを見逃さず
またまたはやし立てたのです。

 

大爆笑ですが
先生が
教室にやってきて
その場は終わりました。

 

マリヤは

下を向いて
その場は
お弁当を仕舞ってしまいました。

 

美味しい弁当が
食べられると思っていたのに
残念無念だと
思いました。

 

伏し目がちに

クラスのみんなを見ると
その時は
ひとりを除いて
平然となっていました。

 

ただひとり
好きな人だけが
こちらを
心配そうな目で
見ていたのです。

 

マリヤは
それを見て
考え込んでしまいました。

 

5時間目
6時間目は
お腹はすくし
あこがれの人も
気になるし
もうどうしようもない
状態でした。