武は もう最後の手段で メールアドレスを 聞いてしまったのです。 由美は 重い雰囲気になってしまったことを 少し反省したので その唐突な質問に 少し笑ってほっとしました。 それで 由美は 「良いですよ 送りますね」 と言って 自分の携帯を操作して アドレスを送りました。 武は 携帯で受け取って 自身も同じように送りました。 そんな和んだ雰囲気も 車内アナウンスで 東京の到着を告げられると 車内は 急に慌ただしくなります。 武は 急いで会社に帰らなければならないし、 由美は 新しいお部屋の住まいの約束があって 時間がなかったのです。 それで 由美は武に 最後の質問をしました。 「私 由美 あなたのお名前は? こんなに話していたのに あなたの名前を聞いていないわ」 武は 初めて気付きました。 メールアドレスを聞いたので ほっとしていたので 忘れてしまっていたのです。 武: 「そうだったね。 僕忘れてたよ。 僕の名前は 武 由美さんて言うの メールまた出すよ。 今日は忙しいので また会いたいね。」 由美: 「私も今日は忙しくて メール出します。 今度は ネタでない話お願いします。 私も話してみるから、、、」 ふたりはそう言うと 重い鞄を持って 新幹線を降りて お互いの目的地のホームに 別れていきました。