ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ロフトの夢 第16話

帰国すると
目標もなくなり
暇になると
佳代子は思っていました。

でも
それが違うです。

一度ヒーローになった佳代子は
普通の女の子には
戻れません。

オリンピックの報告会や
後輩の指導
はたまた「夢を実現したオリンピック選手」という講演会まで
雑事に多忙でした。


マネジメントは
引き続き
直人がやってくれました。

直人は
佳代子の夢が
オリンピック選手ではなく
漫画家と言うことを知っていたので
そんな雑事を
佳代子にさせるのは
少し気が引けました。

それで
機会あるごとに
佳代子の夢が叶うように計っていたのです。

テレビ局の人には
佳代子が
漫画家の才能があると
売り込みました。

そこで
漫画家と射撃そしてオリンピック選手という
筋書きで
ドキメンタリー番組を作る段取りになり
佳代子にプロジューサーが会いに来ました。

プロジューサーは、いろんな話を聞いて
佳代子が書いた漫画も見て
取材したのです。


でも後になって
漫画の部分だけをのぞいて
作られることになってしまいました。

いろんな出版社にも
売り込みに行きましたが
無駄ででした。

今までの射撃の時間を
短くして
漫画に
時間を掛けたのですが
なかなか実を結びません。

それとは反対に
射撃のほうの
雑事は盛況で
コマーシャルまで
作られました。

オリンピック後の
佳代子の望みとは
逆になってしまったのです。