ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「超幸運な男」その3

勝が小さい時は
家族は
父親「勇治」と母親
父親の母親「千代」と
父親の一番下の妹「けい」との
5人家族でした。

というか
父親と母親の決まった家はなく
母親の家に
いたのです。

下の妹が生まれると
父親と母親は
一攫千金を狙って
全国を
旅して
ほとんど帰らなくなりました。

支那事変が起きて
日本が満州に進出すると
父親と母親は
別々に
大陸へ渡ります。

勝が
7歳の時です。

尋常小学校2年の時です。

その時代になると
千代の父親が蓄えていた
金品はすっかりなくなり
千代の
実家の納屋で
暮らすほどの
極貧の生活になっていました。

家計は
電話交換手をしていた
けいだけが頼りです。

けいは
逓信省に勤めていましたが
少しでも
給料のよい
大手製薬会社に
転職していました。

勝は
帰ってくると
口うるさく言う
父親や母親が
いない方が良いと
思うようにしていました。

妹は
夕方になると
よく泣いていましたが
けいが
おそく帰ってくると
甘えていました。