ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その50

現代では
よく噛んで
ゆっくり食べるのが
最善ですが
この時代の
食事は
早飯です。

早く食べて仕事をすると言うことと
早く食べないと自分の分がなくなると言う意味があります。

その日に焚く
麦飯の量は
決まっています。

1年に食べられる
麦やお米の量は
倉に仕舞ってある
量でしかありません。

家長たるもの
その量を
固く守らないと
いけません。

当然の如く
早く食べた方が
量が食べられます。

成人男子は
一日に
1升の麦飯を
当然の如く
食べたようです。

肉体労働ですから
そのくらいの量を食べないと
仕事ができないのでしょう。

どんぶり茶碗で
一気に
かき込みます。

おかずは
野菜の煮物と
漬け物です。

山のように
大きな皿に盛ってある
漬け物も
みるみるうちに
なくなってしまいます。

亀太郎は
まだまだ小さいので
たくさんは食べられません。

早飯も
自分は
8分のできたと
思っていました。

清左衛門は
充分に食べると
冬なら温かいお湯を
夏なら
湯冷ましを
お茶碗に入れて
最後の漬け物で
ゆっくりと洗った後
その漬け物と
水を飲んでしまいます。

そして
家人たちが
食べ終えたのを
確認してから
「ごちそうさま」と
と言って
食事を終えます。

家人たちは
その声を聞くと
各々
食事を終え
「ごちそうさま」と
唱和した後
お膳の中に
お茶碗と
箸を入れて
蓋をし
棚に仕舞い込みます。