ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その49

食べることに感謝の意味もあって
食事中は
無言です。

音を出して
食べるのは
何の問題もありませんが
「頂きます」
「ごちそうさまでした」
以外の言葉は
言うことはできません。

「麦ご飯は
美味しくない」
と言うようなことを
言う人間は
この時代にはいませんが
もし言ったら
即座に
その場を追い出されて
食事は
なしになります。

それと反対に
「おいしい」と言っても
無駄口と言うことで
家長の
叱責の
対象となります。

食事を作っている
人達の
ただ報いとなるのは
綺麗に
釜の中のものが
なくなったという事実です。

各自の食事は
まず
お膳を出すことから始まります。

お膳とは
箱のようなもので
清左衛門の家では
木でできた
粗末な箱です。

上に蓋が付いていて
開けて
茶碗と
お箸を出します。

家長の
清左衛門以外は
自分で出すのが
決まりです。

亀太郎も
自分のお膳を
棚から取り出し
自分の席に
持っていきます。

中から
茶碗を出し
姉のところに持っていき
ご飯を
よそってもらいます。

席について
清左衛門の
「頂きます」の声のあと
みんなで
「頂きます」と
唱和して
食事が開始されます。