ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その92

前にも言ったように
当時は
牛は高いものでした。

凄い力持ちで
田おこしが
人間の何倍という
早さでできてしまいます。

農耕馬が
一般的になるのは
明治時代の
中頃
庶民が牛肉を
食べ始める頃です。

牛馬を
扱う職業の人を
博労と言います。

博労が
もう少し時が過ぎると
牛が若いあいだは
農耕馬として使い
大きくなったら
食用牛とする商売を
はじめるのです。

農家は
安いお金で
牛を
仕事に使えるのが
利点でした。

まだそんな
商売がない時代に
清左衛門の家では
牛を買ったのです。

牛は
力はありますが
それを扱うためには
それ以上に
力がないと
いけません。

それに
生き物ですので
朝晩に
世話もしなければなりません。

何よりも
よく食べます。

牛には
朝晩に
麦を煮たものと
藁を切ったもの
それに塩を
与えなければなりません。