ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その102

今と違い
家事全般は
時間が掛かります。

ひとつひとつ
仕事をこなす
必要があるのです。

その仕事のなかに
水汲みもあります。

清左衛門の家には
井戸がありません。

飲み水になる様な
水が出る
井戸は
里道を
1町(約109メートル)ばかし行った
共同井戸から
汲んできます。

家族が多いので
量ももちろん多く
天秤棒の
前後ろに
桶を下げて
何度と
行き交いします。

おますは
幼い時は
この係で
よく運んだものですが
亀太郎と
結婚してからは
清左衛門の家の
若い者がしていました。

亀太郎の
長女も
少しは運んでいました。

小さいからと言って
できる仕事は
しなければならないのです。

牛を飼い始めると
牛のエサを
作るのも
おますの
仕事になっていました。

押し切りで
藁を
細かく切って
たるに入れておきます。

そこへ
水に浸けておいた
麦を
焚いて
入れます。

塩を
入れて
出来上がりです。