ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その200

そばで見ていた
母親のおますは
心の中で
「まだまだ12才なんだから
力仕事は
大変だ。

もっと見守ってあげないと」
と思いつつ
みんなの手前
優しい言葉は
鶴松には
かけられませんでした。

鶴松自身は
頑張って
やっているつもりだけど
みんなにそんな風に
思われていたんだと
思ったのです。

翌日は
頑張っていたのですが
みんなには
そうは見えませんでした。

何日か
頑張っていたのですが
ある朝起きると
ふらふらするのです。

のども痛くて
赤ら顔になっていました。

ふらふらしている
鶴松の額に
おますは手を当てました。

あまりにも
熱いので
おますは
鶴松を
お布団に戻しました。

そして
病気の時しか
食べない
卵が
食事に付いてきて
お布団で
ご飯を食べました。

夕方になると
もっと高い熱になっていて
清左衛門は
心配そうに
鶴松を
見ているのを
薄目で
見ていました。