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清左衛門が 言ってから だいぶ時間が過ぎましたが 鶴松は 返事がありません。 清左衛門は 気が長い方で ゆっくりと 鶴松の返事を待っていました。 清左衛門が 鶴松を 見れば見るほど 萎縮してしまって 鶴松は ますます声が出ません。 数十分の 沈黙の時間が流れて 気長な 清左衛門も しびれを切らして 「家長になったら しっかり働いて くれるか」と 少しだけ 大きな声で 言ってしまいました。 別に 怒鳴ったのでもないのですが 家長の力は 当時絶対でしたから もう 気を失うぐらい 緊張してしまいました。 おますが 優しい声で 「大丈夫よね できるわよね」と 付け加えましたが 鶴松は 顔面が 蒼白になってしまいました。 誰が見ても 病人のようになってしまいました。 おますがそれを見て 「体が悪い様子だから この辺にしましょう。 旦那様」と 清左衛門に言ったので 清左衛門も 心の中で 「仕方がない」と 思って うなずきました。